手首や手のひら、指などのしこりはガングリオン?:症状についての説明
ガングリオンの自覚症状は「しこり」が最も多く、その他では「痛み」「しびれ」「手や指の動かしにくさ」といった症状が現れることもあります。また、ガングリオンと似た症状の病気もいくつか知られています。
1. ガングリオンの症状
ガングリオンで出やすい症状は主に次の4つです。
- しこり
- 痛み
- しびれ
- 手や足の動かしにくさ
中でもガングリオンの症状はしこりが最も多く、しこりだけを感じる人がほとんどです。一方で、痛みやしびれといったしこり以外の症状が現れている人には治療が必要なことがあります。
以降ではそれぞれの症状について説明します。
しこり(手のひらや手首、指関節、足の甲、足首などに多い)
ガングリオンができると、しこりとして自覚されることが多いです。しこりの表面は触ると滑らかで、ゴムのような弾力があります。なかには柔らかいものや硬いものがあり、骨のように硬い場合もありますが、あまり多くはありません。
痛み・しびれ
神経の近くにガングリオンができると神経が圧迫されるため、痛みやしびれが現れます。何もしていなくて症状を感じる場合もあれば、押したりや動作の影響で症状が現れる場合もあります。
症状がしこりだけの人は様子をみることもできますが、痛みやしびれがある人には治療が選択肢に挙がります。治療によって神経への影響が少なくなるので、痛みやしびれの改善が期待できます。詳しい治療法については「ガングリオンの治療」で説明しているので参考にしてください。
手や足の動かしにくさ
身体を動かそうとするとき、脳の司令が神経を経由して筋肉に伝わります。ガングリオンの影響がその神経に及ぶと、脳からの司令が筋肉に伝わりにくくなるため、手や足が動かしにくくなることがあります。
2. ガングリオンができる場所:手首の関節・手の甲・手のひらなど
ガングリオンは身体中のどこにでもできる可能性があります。一方で、ガングリオンができやすい場所や頻度は低いができることがある場所が知られています。
よくできる場所:手首や指の関節・手の甲・手のひら
「手首や指の関節」「手の甲」「手のひら」がガングリオンができやすい場所として知られています。この中でも最もできやすいのは「手首の関節の手の甲側」です。ふと手の甲を見たときにぼこっとしたしこりを見つけたら、それはガングリオンかもしれません。しこりがいつまでもなくならない人は、一度医療機関にかかって調べてもらうと良いです。
まれにできる場所:肩・肘・足の関節(くるぶし)・膝など
また、上に挙げた3つの場所よりは頻度は下がりますが、ガングリオンが次のような場所にできることもあります。
- 肩
- 背中
- 肘
- 膝
- 足首
ガングリオンは全身にどの部位にもできる可能性があります。ここで挙げた場所が特に注意が必要な部位ですが、それ以外の部位にしこりができた場合でもガングリオンを考えなければなりません。しかし、一つの目安として、「まれにできる場所」にガングリオンが疑われるものができた人は、「できやすい場所」にできた人に比べて他の病気である可能性が高いと考えられます。検査をしっかりと行って、しこりの原因を確かめるようにしてください。
3. ガングリオンと似た症状が現れる病気
ガングリオンと似た症状が現れる病気はいくつかあります。病気によって治療方法が異なるので区別しなければなりません。ガングリオンと似た症状が現れる病気の中でも以下の3つには注意が必要です。
これらはあまり馴染みのない病気と思いますので、それぞれの病気の特徴について説明します。
腱鞘巨細胞腫(けんしょうきょさいぼうしゅ)
腱鞘巨細胞腫は、手や足にある「腱鞘(けんしょう)」とよばれる組織に
関節にしこりを自覚する点で腱鞘巨細胞腫はガングリオンと共通しています。腱鞘巨細胞腫とガングリオンとは画像検査などを用いて区別することができます。
腱鞘巨細胞腫の詳しい説明は「腱鞘巨細胞腫の基礎情報ページ」を参考にしてください。
粉瘤(ふんりゅう)
粉瘤は皮膚の下にできた袋状の構造物の中に老廃物が溜まってコブのようになったものです。顔や首、背中、耳の後ろにできやすく、ガングリオンができやすい部位である手のひらにもできます。
硬いしこりになった粉瘤はガングリオンとの区別が簡単ではないことがあります。粉瘤がガングリオンと異なるのは感染が起きると皮膚の赤みが強くなる点です。
粉瘤の詳しい説明は「粉瘤の詳細情報ページ」を参考にしてください。
脂肪腫
脂肪腫は脂肪でできた良性の腫瘍で、皮膚のすぐ下にできることが多いです。
脂肪腫は良性の腫瘍なので、
脂肪腫の詳しい説明は「脂肪腫の基礎情報ページ」を参考にしてください。