[医師監修・作成]ガングリオンが疑われたときにはどんな検査が必要なのか?超音波検査で十分? | MEDLEY(メドレー)
がんぐりおん
ガングリオン
手首や指の関節の周囲にしこりができる病気
6人の医師がチェック 82回の改訂 最終更新: 2021.10.28

ガングリオンが疑われたときにはどんな検査が必要なのか?超音波検査で十分?

ガングリオンができても「しこりしか症状がない人」「見た目が気にならない人」は治療をせずに様子をみることができます。ただし、ガングリオンに似た病気はいろいろとあり、それらの一部は放置できません。そのため皮膚のしこりを自覚した人は一度診察を受けることが望ましいです。ガングリオンが疑われた人が受ける検査について説明します。

1. 問診:状況の確認

問診では自覚症状や持病、飲んでいる薬などについて尋ねられます。問診によって得られた情報を元にその後の検査や治療が行われます。以下はガングリオンが疑われる人に行われる質問の例です。

  • どんな症状を自覚するか(しこり感、痛み、しびれ)
  • いつ症状に気づいたか
  • 症状の変化はあるか
    • 良くなったり、悪くなったりするか
    • しこりの大きさに変化はあるか
  • 持病はあるか、過去にどんな病気を治療したか
  • 定期的に飲んでいる薬はあるか

ガングリオンに似た病気はいくつかあります。問診は、他の病気の可能性をはかるときに役立ちます。

ガングリオンの典型的な特徴は、皮膚の上から押すとゴムのような弾力があることや、痛み・しびれなどをともなうことは少ないことなどです。自覚症状がこの特徴に合致する場合にはガングリオンが強く疑われます。とはいえ、柔らかい場合や固い場合、痛み・しびれなどの症状がある場合もあるので問診だけではガングリオンかどうかの判断はできません。

また、「持病」や「定期に飲んでいる薬」もその他の検査や処方される薬に影響することがあるので正確に伝えることが大切です。しかし、外来の限られた時間の中で過不足なく情報を伝えることは簡単ではありません。そこで、「持病」や「定期的に飲んでいる薬」を上手に伝える方法について説明します。

■「持病」の上手な伝え方

持病や過去に治療した病気を伝える際には次の場面を思い浮かべると上手に伝えることができます。

  • 現在通院して治療している病気もしくは過去に通院していた病気
  • 入院した経験
  • 手術した経験

この3つの場面を思い出しながら、医療者に持病や過去に経験した病気を説明すると、もらすことなく伝えることができます。また、病名は聞いていないけれど気になる症状がある場合にはその症状も伝えるようにしてください。

■「定期的に飲んでいる薬」の伝え方

たくさんの薬を飲んでいる人がそれぞれの薬の種類をすべて憶えておくのは簡単ではありません。服用中の薬を上手に伝える方法として「お薬手帳」を活用すると良いです。お薬手帳には「薬の種類」や「薬の量」、「薬の開始時期」などが記載されています。お薬手帳を見せることでもらさずに服用している薬を医療者に伝えることができます。

2. 身体診察

問診に続いて行われる身体診察では、身体の状態についてくまなく観察されます。

身体診察の方法はいくつかありますが、ガングリオンが疑われる場合には「視診」と「触診」が特に重要です。

この2つの診察方法について説明します。

視診

視診は身体の見た目をくまなく観察する診察のことです。

視診ではしこりの形や大きさ、皮膚の色の変化の有無などが注目されています。典型的なガングリオンでは「丸く皮膚の色には変化がない」といった特徴が見られます。

触診

触診はお医者さんが身体に触れて行う診察のことです。ガングリオンが疑われる部分を触ってその特徴などが調べられます。ガングリオンの触診上の特徴としては次のことが知られています。

  • 表面は滑らかであることが多い
  • 「ゴム」のような弾力を持つことが多い

皮膚の上から疑わしい部分を触ってデコボコしていない滑らかさを感じとられれば、ガングリオンが疑われます。

また、ガングリオンの硬さは「ゴム」のような弾力のある硬さのものが多いです。触診ではただ触るだけではなく、押したときの痛みや痺れの有無や関節の動きも合わせて調べられます。

痛みやしびれが強い人や関節の動きが悪い人は治療が検討されます。

3. 画像検査

ガングリオンが疑われる人には画像検査が行われることがあります。主にエコー検査(超音波検査)とMRI検査の2つが行われます。この2つの検査の特徴について説明します。

エコー検査(超音波検査)

エコー検査は超音波を利用して体内を調べる検査です。超音波を体外から送り込み、その反射の程度を把握することで体内の様子を画像にして観察することができます。エコー検査はお腹や心臓などを調べるときに行われることが多いのですが、手や足にも行うことができます。

実際の方法としては観察する場所をより正確に見るためにジェルを塗って、プローブという超音波が出る機械を優しく当てて検査が行われます。プローブの先にあるものが画像として映し出されて、しこりの中身の様子を簡単に調べることができます。さらに、エコー検査は放射線を使わないため被曝しませんし、診察室から移動せずにその場で検査できる点が優れています。

エコー検査は優れた検査ですが、調べたい所の近くに骨のように硬いものがあるとうまく調べられないことがあります。具体的には、膝や足首、肘などを調べる場面では簡単ではないことがあります。

エコー検査で不十分だと考えられる場合、次に説明するMRI検査でさらに詳しく調べられます。

MRI検査

エコー検査よりもMRI検査の方がガングリオンの中身などを詳しく調べることができます。MRI検査は磁気を利用して身体の断面を画像にする検査で、筒状の狭い場所に入って行われます。エコー検査よりも大掛かりなので全員に行われるわけではありませんが、しこりの正体がガングリオンと判断できない場合などに用いられます。

一方で、MRI検査には超音波検査と比べて不利な点もあります。MRI検査は超音波検査に比べて導入されている医療機関が少ないので、どこでも受けられる検査ではないため、他の医療機関を受診しなければならないこともあります。

また、MRI検査は強い磁気を利用した検査なので「手術などで身体の中に金属を埋め込んでいる人」や「心臓にペースメーカーを埋め込んでいる人」は、検査による悪影響が起こる恐れがあるので事前に医療者に確認してください。

4. 病理検査

病理検査は取り出したものを顕微鏡で直接観察する検査のことです。ガングリオンが疑われる場合は、主に切除後に行われます。取り出したものを直接みることができるので、検査の信頼度は画像検査より病理検査の方が高いです。