低血糖の治療や自分でできる対処法について
低血糖の治療は不足している血液中の糖分を補うことです。糖分の補給には自分でできる方法と医療機関で行う方法があります。特に、自力で対処できる方法は重症化を防ぐために重要なので、知識を整理しておいてください。
1. 低血糖に対して自分でできる対処法
軽い低血糖であれば、自分で
ブドウ糖そのものを摂取する
ブドウ糖を多く含む食べ物を摂取する
低血糖に対する効果が高いのはブドウ糖そのものを摂取することですが、手元にない場合は、ブドウ糖を多く含むジュースや食品でも同じ効果が得られます。
おすすめの食べ物は次のものです。
- チョコレート
- ジュース
- 飴
- ラムネ
これらにはブドウ糖が多く含まれているので、血糖値をすみやかにあげることができます。注意が必要なのは、低カロリーをうたったダイエット飲料などの食品です。これらは糖分の代わりに人工甘味料で甘み付けがされているので、血糖値を上げる効果はあまり期待できません。低血糖に備えて、普段から手元にある食品にどのような糖分が含まれているかに注目しておいてください。さらに、低血糖になったときにとるべき食品について管理栄養士に相談しておくとなおよいです。
2. 低血糖発作に対する医療機関での治療
軽い低血糖には自分で対処できることもありますが、進行して「意識がない」「痙攣している」といった症状が現れた人は、口からブドウ糖を摂取することが難しいので、医療機関での治療が必要です。医療機関では低血糖の人に対してブドウ糖の注射をしたり、
ブドウ糖を血管から入れる:ブドウ糖の静脈内投与
注射でブドウ糖を血管の中に直接入れます。。血液の中にブドウ糖が注入されるので、血糖値を素早く確実に上げることができます。血糖値を早く改善するために最初に濃度の高いブドウ糖(例:50%のブドウ糖 を20mLから40mL)を入れ、続いて濃度が比較的薄いブドウ糖を(例:5%のブドウ糖)時間をかけて入れられることが多いです。
グルカゴンの投与
グルカゴンは血糖値を上昇させる
【参考文献】
「ハリソン内科学 第5版」(福井次矢、 黒川 清 /監修)、MEDSi、2017
「ワシントンマニュアル 第13版」(髙久史麿、和田 攻/監訳)、MEDSi、2015