がんめんけいれん
顔面けいれん
顔の片側が突然ピクピクとけいれんする病気。主に顔の筋肉を動かす顔面神経に血管が触れることで起こる
15人の医師がチェック 137回の改訂 最終更新: 2022.07.08

顔面けいれんの基礎知識

POINT 顔面けいれんとは

本人の意思によらず、顔面の片側(眼や口が多い)が突然ピクピクしてしまう病気です。顔面の動きを司る顔面神経のそばに血管があることが原因です。症状がひどくなる原因として、ストレス、疲れ、睡眠不足などがあります。短いピクつきが1日何回も起きる場合と、1日中ピクつきが持続する場合があります。診断には頭部MRI検査で神経周囲の血管や腫瘍を確認します。治療は内服加療、ボツリヌス毒素を注射する方法、手術で顔面神経に接触している血管を離す方法があります。はじめて症状が出た人や、軽症の人は様子をみてもよいことが多いですが、繰り返す人や心配な人は脳神経内科や脳神経外科を受診してください。

顔面けいれんについて

  • 本人の意思によらず、顔の片側(特に口角と眼)が突然ピクピクしてしまう病気
  • 顔面神経の側を走る血管が持続的に顔面神経に接触していることで、顔面神経が異常な活動をしてしまうことが主な原因
    • その異常な信号が顔の筋肉に伝わってしまい顔がピクピクする
  • けいれんがひどくなる誘因
    • ストレス
    • 疲れ
    • 睡眠不足
    • コーヒー摂取
    • 喫煙
    • 寒さ
  • アルコールによって症状が軽くなる人もいる
  • 10万人に10人程度、中年の女性に多いといわれている

顔面けいれんの症状

  • 本人の意思によらず、「顔のピクつき」が突然起こる
    • 短いピクつきが一日何回も起こる人もいれば、一日中続く人もいる
  • 症状は片側の目の周囲からはじまり、次に頬、口輪筋などに広がっていく
    • 原則として片側に起こる

顔面けいれんの検査・診断

  • 頭部MRI:神経に接触している血管や脳腫瘍がないかなどを調べる

顔面けいれんの治療法

  • 主な治療法は3つ
    • 薬による治療(神経の活動を抑える薬)
    • ボツリヌス毒素治療(筋肉の働きを弱める注射をする)
    • 手術(顔面神経に接触している血管を離して固定する、唯一の根本的治療)
  • 内服治療に関しては、まず最初に試すことが多い
    • けいれん止め(カルバマゼピンなど)を使用することもある
    • 劇的に効くことは多くない
  • 眠気が強いなどの副作用に困る場合、症状が落ち着かない場合はボツリヌス毒素治療を行う
    • 効果が出ることが多いが数ヶ月程度で効果は切れてしまう
  • 患者さんの多くがボツリヌス治療か手術のいずれかを受けることが多い
  • ピクつきがひどくなるような状況を避けることも大切

顔面けいれんの経過と病院探しのポイント

顔面けいれんが心配な方

顔面けいれんは、本人の意思によらず、顔の片側(特に口角と眼)が突然ピクピクとけいれんする病気です。症状が重いと、1日の中で何度も起こったり、1日中けいれんし続けたりします。軽症のものや初めてのものであれば、しばらく自宅で様子を見ても良い疾患ですが、もし心配で受診される場合には、神経内科、脳神経外科のクリニックや病院が適しています。

顔面けいれんの診断は問診と画像検査で行います。顔面けいれんの原因の多くは脳の血管が顔面神経に接触し圧迫していることです。実際に頭部MRIで脳の血管と顔面神経が接触していることを確認すれば、診断に至ります。まれに脳腫瘍や動脈瘤が顔面神経を圧迫することで顔面けいれんを引き起こすこともあるので、それを区別するためにも、頭部CTやMRIの検査が行われます。そのためCTやMRIがないクリニック、病院に行き顔面けいれんと診断された場合には、診療情報提供書(紹介状)をもらってそこまでの診察、検査結果を引き継いだ上で、他の施設を受診することになります。

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顔面けいれんでお困りの方

顔面けいれんは発症から1か月以内で症状が軽い場合には、特別な治療を行わずに様子を見ることが多いです。顔面けいれんの治療には、飲み薬、ボツリヌス毒素療法、手術があります。このうち手術のみが根本治療で、残りは対症療法です。飲み薬では抗てんかん薬に分類される薬剤が使われますが、効果が十分でないことも多いです。

ボツリヌス毒素療法は多くの場合有効で、3−4か月ほど効果が続きます。神経内科、脳神経外科のクリニック、病院でも行っていないところがあります。希望がある場合にはお問い合わせの上で受診するのが良いでしょう。

手術は微小血管減圧術と言って、顔面神経を圧迫している血管の位置をずらして、圧迫しないようにするものです。脳神経外科の中でも限られたところでしか行われていません。周りには重要な神経があって、万が一損傷すると重い合併症が起きてしまうため、経験数の多い脳神経外科専門医の手術を受けることが望ましいです。

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