がんめんけいれん
顔面けいれん
顔の片側が突然ピクピクとけいれんする病気。主に顔の筋肉を動かす顔面神経に血管が触れることで起こる
15人の医師がチェック 136回の改訂 最終更新: 2017.12.06

Beta 顔面けいれんのQ&A

    顔面痙攣の原因、メカニズムについて教えて下さい。

    顔面痙攣は、顔面神経が異常に興奮することで、顔の筋肉に間違った信号が伝わって、勝手に収縮してしまう病気です。

    典型的には、脳幹とよばれる脳の中枢部分から顔面神経が生えてくる部分の間に、動脈が当たっていることで、刺激が伝わり起こります。

    顔面痙攣は、どのくらいの頻度で起こる病気ですか?

    かなり稀な病気で、10万人あたり0.8人程度とされています。

    顔面痙攣と眼瞼痙攣の違いについて教えて下さい。

    目が疲れると、片側のまぶたがピクピクなることはしばしば経験します。顔面痙攣でも最初はこの眼瞼痙攣と区別がつきにくいですが、徐々にぴくつきが強くなり、片目がほとんど閉じてしまうようになります。また口の周りにもぴくつきが広がり、引きつれたような顔つきになってしまうこともあります。

    両側のまぶたが痙攣を繰りかえして閉じてしまうメージュ症候群という稀な病気もありますが、顔面痙攣が両側で起こることは非常にまれです。

    顔面痙攣は、遺伝する病気ですか?

    遺伝性は確認されていません。

    顔面痙攣は、どんな症状で発症するのですか?

    最初は疲れ目のときのようなぴくつきのことが多いですが、だんだん目の周りの筋肉の収縮が強くなり、目が開けていられない、あるいは集中できない程になります。ずっとウィンクを繰り返しているような状態です。また口の周りにある筋肉(口輪筋)も影響を受けることがあり、口が耳に向かって引きつるようになることがあります。

    顔面痙攣の、その他の症状について教えて下さい。

    断続的な耳鳴りが一緒にでることがあります。

    顔面痙攣が重症化すると、どのような症状が起こりますか?

    いわゆる医学的な重症とは異なりますが、痙攣による収縮の程度が強くなると、引き連れの程度が強くなります。

    顔面痙攣は、どのように診断するのですか?

    原則的には症状により診断します。その場で痙攣が起こっているか、もしくは強制閉眼といって、目をぎゅっとつむった後、開いてもらうことで、痙攣を誘発することができることがあります。

    顔面痙攣の、その他の検査について教えて下さい。

    通常はMRIを撮影し、脳と動脈の関係を確認します。顔面神経の根元に動脈が当たっていれば、診断の根拠が増します。

    顔面痙攣と診断が紛らわしい病気はありますか?

    両側のまぶたが痙攣を繰りかえして閉じてしまうメージュ症候群という稀な病気もありますが、顔面痙攣が両側で起こることは非常にまれです。

    顔面痙攣の治療法について教えて下さい。

    まず、治療しなくても生命に関わる病気でないことを説明します。つまり、集中できない、営業の方などで対面でしゃべるときに気になってしまう、運転しているときに危ないなどの理由で治療を行います。

    治療法には3通りあります。
    一つ目は内服薬による治療で、てんかんの治療につかう抗てんかん薬を内服してもらい、効果を見ます。抗てんかん薬が顔面痙攣にどれくらい効くかに関しては個人差が大きいです。また抗てんかん薬は神経の活動を抑える薬であるため、眠くなったり、ふらふらするという方がおり、量の調整が必要です。

    2つ目はボトックス注射という治療で、ボツリヌス毒という神経毒を痙攣を起こしている筋肉に少量注射することで、軽い顔面神経麻痺を起こして痙攣を抑えます。毒素なので、徐々に分解されるため、6ヶ月程度で効果が切れ、注射を繰り返す必要があります。また抗体ができて効果が短くなることがあります。注射の量が多いと目が閉じきらなくなり、目の充血や、角膜損傷を起こす危険性があります。

    3つ目は手術治療で、全身麻酔で頭蓋骨に小さな孔を開け、顔面神経に当たっている動脈をずらして移動させて、異常な信号が出なくする治療です。根治的な治療ですが、手術に伴う危険性があります。

    顔面痙攣の治療法の使い分けについて教えて下さい。

    どれを最初に行わなければならないということはありませんが、通常は内服薬を試してみます。 ボトックス注射を繰り返す方も多いですが、顔面神経自体は異常な信号を送っているため、見た目は痙攣が治まっていても、ご自身はピクピクしているように感じるといいます。 手術は、根本的な治療で、手術を受けた方の90%で顔面痙攣が消失します。ただし、痙攣がなくなるのに手術後1年近くかかる方もいます。 顔面神経は脳の中枢部分にあるため、手術で周りの神経が傷んでしまうと後遺症が残る危険性があります。

    顔面痙攣の薬は、生涯飲み続けることになるのですか?

    痙攣を抑えたいときだけ飲む薬です。 逆に、ずっと飲んでいるからといって、顔面痙攣がなくなる、ということは原則ありません。

    顔面痙攣では入院が必要ですか?通院はどの程度必要ですか?

    内服薬による治療、ボトックス治療は外来でできます。 手術治療は、抜糸まで入院する場合、8-10日程度の入院が必要です。

    顔面痙攣は、再発を予防できる病気ですか?

    手術治療後も2-3%の方で再発が起こるといわれていますが、再発を予防する方法はありません。

    顔面痙攣に関して、日常生活で気をつけるべき点について教えて下さい。

    特にありませんが、強い顔面痙攣の場合には運転していて片目をつむる形になってしまうため、注意が必要です。

    また、抗てんかん薬を内服する場合、副作用の眠気・ふらつきが生じることがあるため、やはり運転や、高所の作業、電車のプラットフォームなどでは注意が必要です。

    顔面痙攣は、完治する病気ですか?あるいは、治っても後遺症の残る病気ですか?

    手術治療では90%の方で完治が得られます。 内服治療・ボトックスは対症療法ですが、痙攣を抑えるという点では有効です。

    顔面痙攣の手術の後遺症にはどのようなものがありますか?

    顔面神経は聴神経が近くにあるため、聴神経に影響が出て、同じ側の聞こえが悪くなったり、聞こえなくなったりする危険性があります。 また、のどの動きに関わる神経も近いため、この神経が傷むと、ものを飲み込みづらくなって、むせたり、声がかすれたりといった症状が出ます。この症状がずっと続くことは稀ですが、数ヶ月の単位で起こることがあります。 動脈を操作する手術であるため、関係する動脈が詰まって脳梗塞を起こすと、ふらつきやめまい感などが長く続く可能性があります。

    顔面痙攣に関して、頭の手術では、丸坊主にするんですよね?

    病院によりますが、今では多くの病院で、なるだけ狭い範囲だけ髪を切って行うようになっています。剃髪しないことによって感染の危険性が上がるということはありません。 髪の毛に、血糊が付くことで、洗髪できるようになるまで気持ち悪いといことはあるかもしれません。

    顔面痙攣に関して、手術した場合髪はいつから洗えますか?

    これも病院によりますが、手術後3,4日目から洗えるところが多いと思います。傷の近くに血糊が付いていることによる菌の繁殖を、洗髪することで抑えるためです。

    顔面痙攣に関して、手術の後、してはいけないことはありますか?

    頭皮に傷があるため、パーマ液や、いわゆる毛染めのような刺激の強いものは、3ヶ月程度は避けて下さい。 また海・プール・温泉などは、雑菌が多いため、やはり避けていただく方が無難です。

    顔面痙攣に関して、手術後は外来に通院する必要はありますか?

    創の状態を何度か確認させていただくことが多いです。