じょくそう(とこずれ)
褥瘡(床ずれ)
布団やベッドなどと触れる部分の皮膚が、長い間圧迫されづづけることで血流が不足して、皮膚や筋肉などの組織が壊死すること
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最終更新: 2024.04.25
褥瘡(床ずれ)の基礎知識
POINT 褥瘡(床ずれ)とは
体重で圧迫されている部位の血流が悪くなり、皮膚やその下の組織がダメージを受けることです。寝たきりの人に多く見られ、床ずれとも言われます。褥瘡が起こると皮膚が赤みがかったり、ただれたり、傷ができたりします。長い時間同じ場所が圧迫されると皮膚の細胞に十分な酸素や栄養が行き渡らなくなることが原因です。また、栄養不良や免疫力の低下、身体のむくみなどがある人には起こりやすいです。褥瘡予防には、寝たきりの状態にならないようにすることや、寝たきりであっても定期的に体位を変えることなどが有効です。また、褥瘡ができてしまった場合は、傷の洗浄や軟膏の塗布などによって治療が行なわれます。褥瘡が心配な人やその家族は皮膚科や内科などで予防や治療について相談してみてください。
褥瘡(床ずれ)について
褥瘡(床ずれ)の症状
- 褥瘡が起こりやすい場所は、「寝たり座ったときに体重がかかりやすく、骨があたりやすいところ」
- 特に仰向けに寝た時に体重のかかる部分で起こりやすい
- 仙骨部(おしりの中央の骨がすぐ触れる部分)
- かかと
- 最初は皮膚が赤くなるだけであるが、その状態が続くと水ぶくれになったり、皮膚が破れてじゅくじゅくしたり、
潰瘍 ができる - ひどくなると骨が見えるくらいまで皮膚がえぐれてしまうことがある
感染症 を引き起こすと発熱したり場合によっては生命を脅かすこともある
褥瘡(床ずれ)の検査・診断
- 褥瘡は見て診断する
- 皮膚が赤くなって、押しても白くならない場合は要注意
- 感染が疑われる場合は血液検査や
細菌検査 を行う
褥瘡(床ずれ)の治療法
- 予防が最も大切
- 除圧(クッションを使ったり、体の向きを変える)
- スキンケア(清潔を保つ、保湿クリームを塗る)
- 十分な栄養
- 一旦褥瘡ができてしまった場合は、上記の予防は常に続けながら毎日よく洗い流すなどして清潔に保つことが重要
- 傷の状態によっては、感染を防ぐ軟膏や傷の治りを早める軟膏、浸出液などを閉じ込める閉鎖療法などが行われる
壊死 してしまった組織は感染が起こる原因となるため、切除が必要となる
- 治療に使われる薬剤
- 軟膏、クリームの保護剤
抗菌薬 入りの塗り薬- プロスタグランジン(傷口の血流をよくする)入りの軟膏 など
褥瘡(床ずれ)に関連する治療薬
褥瘡(床ずれ)・皮膚潰瘍治療薬
- 褥瘡(床ずれ)などの皮膚潰瘍に用い、薬剤によって感染制御、壊死組織の除去、創面の修復、血管新生など作用は様々であり、創面(傷口)の状態に合わせて薬剤を使い分ける
- 褥瘡(床ずれ)は布団などと触れる部分の皮膚が長い間の圧迫での血流悪化により皮膚や筋肉などの組織が壊死する状態
- 褥瘡は創面の色調により病期が4期(黒色期、黄色期、赤色期、白色期)に分かれる
- 褥瘡の治療目標は大きく分けると「黒色期〜黄色期では壊死細胞の除去や感染制御」「赤色期〜白色期では創面の水分環境の保持・改善や保護」となる
- 褥瘡以外にも外傷、熱傷、手術の傷などの皮膚潰瘍の治療にも使用する場合もある
褥瘡(床ずれ)のタグ
褥瘡(床ずれ)に関わるからだの部位
