アダムスストークス症候群の基礎知識
POINT アダムスストークス症候群とは
アダムス・ストークス症候群は不整脈が原因で失神が起こる病気です。原因となる不整脈には心停止・洞不全症候群・房室ブロック・心室頻拍・心室細動・心房細動などがあります。主な症状は頭痛・めまい・顔面蒼白・失神・けいれんなどです。 症状と身体所見に加えて、心電図検査や心臓超音波(エコー)検査を行って診断されます。また、失神の原因を調べるために血液検査もしばしば行われます。原因によって治療法は変わりますが、アダムス・ストークス症候群の治療にはペースメーカーを埋め込んだり、除細動器を埋め込んだりします。また、補助的に薬物治療を行うこともあります。アダムス・ストークス症候群が心配な人や治療したい人は、循環器内科や救急科を受診して下さい。
アダムスストークス症候群について
アダムスストークス症候群の症状
- 主な症状
- めまい
- 突然目の前が真っ暗になる
- 顔面蒼白
失神 - けいれん
- 頭痛
- 意識消失
- 昏睡 など
- 場合によっては突然死することもある
アダムスストークス症候群の検査・診断
心電図 :病気特有の心臓の波形などを調べるホルター心電図 :短時間の心電図で不十分な場合に行う24時間装着型の心電図検査
- 植込み型心電図ループレコーダー:症状が重くても一時的にしか見られない波形をより詳しく調べる
- 局所麻酔を行って胸の前の部分を1cmほど皮膚を切り、その裏側に小さな心電図を留置する
アダムスストークス症候群の治療法
アダムスストークス症候群の経過と病院探しのポイント
アダムスストークス症候群が心配な方
アダムスストークス症候群は、不整脈のある方に発症するめまいや失神といった症状を指します。上記のような症状に該当していてご心配な方はまず近くのクリニックを受診して、症状の原因が不整脈なのかを確かめることが必要です。めまいや失神といった症状は心臓以外が原因で生じることもあり、その場合は(その後に総合病院を受診するとしても)受診する診療科が変わってくるためです。
その上でアダムスストークス症候群だということになれば、最初にかかった医療機関から診療情報提供書(紹介状)をもらった上で専門病院を受診するのが良いでしょう。診療情報提供書がないと基本的な検査を一からやり直すことになってしまうためご注意なさって下さい。
アダムスストークス症候群はめまいや失神といった症状がでる病気ですが、その原因はさまざまな不整脈です。単なる不整脈ではなく、上記のような症状が出ている重症な不整脈ですから、もし診断が既についているのであれば、循環器を専門とした病院や、一通りの診療科が揃っている総合病院の受診が勧められます。
強い症状が一時的でなく持続している場合には、意識がなかったり歩けなかったりするでしょうから、救急車での受診が必要になるかと思われます。救急隊は、近さや病院の専門性を考慮した上で、適切な病院を判断し案内してくれます。
アダムスストークス症候群の診断は診察、問診と心電図で行います。しかし、めまいや失神などの症状が出ている時に心電図を取らなければ診断につながらず、病院を受診した時にはもう治まってしまっている、というケースもあるのが難しいところです。
このような場合でもより適切な診断に近づくために、ホルター心電図と呼ばれる検査があります。これは体に付けたしたまま日常生活が送れる、装着型の心電図計です。24時間から48時間心電図をつけたままにして生活し、もしその間に発作が起きれば、その瞬間の心電図を記録しておくことができます。このホルター心電図の検査を行っているかどうかというのは、病院探しの上で一つ参考となるかもしれません。
アダムスストークス症候群でお困りの方
アダムスストークス症候群の発作は一時的である場合が多いですが、症状が続いている場合には、何らかの他の心臓病(心筋梗塞など)が隠れている可能性があります。病院につき次第、直ちにカテーテル検査などを含めた専門的な検査、治療が必要です。
逆に不整脈が治まっていて、症状がその時点では既にない場合、緊急治療は必要ありませんが、その後の治療を入念に検討する必要があります。治療法は不整脈ごとに異なるため詳細はそれぞれのページに譲りますが、大きく分けて、内服薬による治療、ペースメーカーによる治療、カテーテルによる治療(カテーテルアブレーション)といった種類のものがあります。ペースメーカーやカテーテル治療は小さな病院だと行えないことがありますので、受診先を検討する際には、このような治療が受けられるかどうかという点にも注意が必要です。
アダムスストークス症候群のタグ
アダムスストークス症候群に関わるからだの部位

