ぎらんばれーしょうこうぐん
ギラン・バレー症候群
細菌やウイルスの感染をきっかけに、免疫が自分の神経を攻撃してしまい、感覚障害や筋力低下が起こる。
12人の医師がチェック 156回の改訂 最終更新: 2023.06.19

ギラン・バレー症候群の症状について

ギラン・バレー症候群はの症状は手足の「しびれ」や「脱力感」から始まり、病気が進行すると立ち上がりや歩行ができなくなります。そして、さらに重症化すると、呼吸機能が低下して人工呼吸器が必要になることもあります。ギラン・バレー症候群の進行度別の症状や後遺症について詳しく説明します。

1. ギラン・バレー症候群の初期症状

ギラン・バレー症候群の患者さんの多くは、病気を発症する4週間以内に風邪症状(発熱・咳・痰など)やひどい下痢といった、感染症が原因と考えられる症状を経験しています。感染症の影響によって免疫に異常が起こり、神経が障害を受けるのがギラン・バレー症候群の発症のメカニズムとして推測されています。

ギラン・バレー症候群を発病すると主に次のような症状が現れます。

  • 手や足の先にしびれや痛みを感じる
  • 手足に力が入りにくい

上記の症状は手や足の神経が障害を受けて起こると考えられています。左右対称に症状が現れることが特徴で、手よりも先に足から症状が現れるのがよくみられる経過です。また、上記で説明した症状以外にも、「顔の一部の筋肉に力が入りにくくなる(顔面神経麻痺)」や「目が動かせなくなってものが二重に見える(外眼筋麻痺)」といった症状がみられることもあります。

この状態から病気が進行せずに治ることもあれば、病気が進行して症状が悪化することもあります。

2. ギラン・バレー症候群が進行したときの症状

ギラン・バレー症候群が進行して神経の障害が強くなると、手や足の筋力がさらに低下して日常生活に支障が及びます。また、手や足以外の神経の障害も目立ち始めて、全身にさまざまな症状が現れます。

【進行したときの症状】

  • 立ち上がりや歩行ができなくなる(歩行困難)
  • 呼吸ができなくなる(呼吸障害)
  • 腸が動かなくなる〔腸閉塞イレウス)〕
  • 脈が乱れて不規則になる(不整脈

上記のような症状が現れるのは、発症から1週間から2週間後のことが多く、それぞれの症状に合わせた治療が行われます。例えば、呼吸障害(全体の1割強の人に起こる)に対しては、人工呼吸器をつけて呼吸を助け、不整脈に対してはペースメーカーを入れて乱れた脈を整えます。ギラン・バレー症候群が回復するにともなって、症状も改善していきます。

3. ギラン・バレー症候群の後遺症

多くの人は後遺症なく回復しますが、なかには症状が残る(後遺症)人がいます。どの人にも症状が残ってしまう可能性がありますが、重症化した人は軽症の人に比べて症状が残りやすいと考えられています。また、ギラン・バレー症候群の症状はこれまで説明してきたように多様なので、その分後遺症もさまざまです。後遺症から回復して元に近い機能を取り戻すには、リハビリテーションが有効です。地道な治療になりますが、継続して取り組むことで元の機能に近づけることや、後遺症を和らげることができます。リハビリテーションについては「ギラン・バレーの治療」を参考にしてください。

【参考文献】

ギラン・バレー症候群、フィッシャー症候群診療ガイドライン2013
・「神経内科ハンドブック」(水野美邦/編集)、医学書院、2016