ぎつうふう
偽痛風
肩・肘・手首・股関節・膝・足・首などに、急激な関節の痛みが出現する病気
12人の医師がチェック 108回の改訂 最終更新: 2022.03.11

偽痛風の原因について

偽痛風は関節の中にピロリン酸カルシウムの結晶ができることで起こります。高齢者や副甲状腺機能低下症の人はピロリン酸カルシウムの結晶ができやすく、偽痛風になりやすいです。また、関節を痛めた人や手術をした人も、関節に負荷がかかったりすることで偽痛風を起こしやすいです。

1. 偽痛風はどのようにして起こるのか

偽痛風はピロリン酸カルシウムが関節の中で結晶を作ることで、関節に痛みや腫れを生じる病気です。ピロリン酸カルシウムの結晶は身体の中で異物として認識されるため、白血球が集まり除去が試みられます。この除去の過程で関節の中に炎症物質が作られ、痛みや腫れを引き起こします。そのため、偽痛風の治療ではNSAIDsステロイド薬などの炎症を抑える薬や、コルヒチンのような白血球が集まってくるのを防ぐ薬が使われます。

2. 偽痛風を起こしやすい人

関節の中にピロリン酸カルシウムの結晶ができやすい人や、関節に負荷がかかっている人は偽痛風を起こしやすいです。具体的には、以下の人が偽痛風を起こしやすいと考えられています。

ピロリン酸カルシウムは老廃物の一つであり、年齢とともに身体の中にたまりやすくやすくなります。副甲状腺は体内のカルシウムの濃度を調整する臓器であり、副甲状腺の機能が落ちるとピロリン酸カルシウムができやすくなります。また、関節を痛めたり、手術などで関節に負荷がかかった後も偽痛風を起こしやすいです。

関節に痛みが出たり腫れたりする病気は偽痛風以外にもたくさんあるため、上の条件に当てはまるかどうかという情報は診断するうえで大変役立ちます。持病がある人や手術を受けた人はお医者さんに伝えるようにしてください。

参考文献

・Ann K Rosenthal, : UpToDate Pathogenesis and etiology of calcium pyrophosphate crystal deposition (CPPD) disease.