めにえーるびょう
メニエール病
内耳にリンパ液がたまり、激しいめまいを繰り返す病気。難聴の症状が伴うこともある
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最終更新: 2021.11.30
メニエール病の基礎知識
POINT メニエール病とは
鼓膜の奥に存在する内耳にリンパ液がたまる病気です。激しいめまいと難聴、耳鳴りの発作を繰り返します。眼振検査(眼球の動きをみる検査)、聴力検査などによって診断します。内耳のむくみをとる薬を使用し、聴力やめまいの改善をはかります。発作時には安静にして、治療として吐き気止め、めまい止めなどの薬を使います。発作の誘因としては、ストレス、疲れ、睡眠不足などがあります。発作がない時には生活改善を行い、病状に応じて内耳のむくみを取る薬、ビタミン剤などを使用します。めまいが持続して生活に支障がある場合は、内耳の手術が検討されます。めまいの治療は一般内科でも可能ですが、めまいに加えて難聴や耳鳴りをともなう場合は耳鼻咽喉科に受診してください。
メニエール病について
内耳 (耳の奥にある部分)にリンパ液がたまり、激しいめまいを繰り返す病気- 内耳の働きは、音を聞くことと体の傾きや回転を感じることの2つである
- 体がどのように動いているのかを正しく感じることができず、めまいが起こる
- 主な原因
- ストレス
- 疲労
- 睡眠不足 など
- 30-40代の女性に特に多い
- 日本で2万人以上の患者がいる
メニエール病の症状
- 以下の特徴をもっためまいが生じる
- 突然起こる
- 目の前がぐるぐる回る
- 吐き気や嘔吐が出る
- 数十分から数時間続く
- 何回も繰り返して起こる
- めまいだけでなく、耳が聞こえづらくなることもある
メニエール病の検査・診断
メニエール病の治療法
- メニエール病を完全に治す薬はない
- めまいが強いときには、薬を使ってめまいの軽減を図る
- めまい止めの薬(内服または注射)
- 利尿薬
ビタミン 剤- 血液の巡りをよくする薬
- めまいが強く持続的で、生活に支障がある場合には
内耳 の手術も選択肢となる
メニエール病に関連する治療薬
ナイアシン製剤(ニコチン酸、ニコチン酸アミド)
- 脂質の代謝や血管拡張、新陳代謝の改善などの作用によりニコチン酸欠乏によって生じる口内炎や耳鳴り、湿疹などの予防や治療に用いる薬
- ナイアシンはニコチン酸とニコチン酸アミドの総称で水溶性(水に溶けやすい性質)ビタミン
- 脂質の代謝や血管拡張作用、皮膚などの新陳代謝の改善など様々な作用をもつ
- アルコール分解や活性酸素(過剰発生で細胞を傷つける物質)の除去などにも関与する
内耳循環改善薬(抗めまい薬)
- 血流改善作用などにより内耳のむくみなどを改善し、メニエール病などのめまいや難聴などの症状を改善する薬
- 内耳(鼓膜の内側にある部分)にリンパ液によるむくみができると、めまいの症状があらわれる
- 内耳の蝸牛(かぎゅう)は「耳の聞こえ」に関わり、内耳のむくみにより障害されると難聴などの症状があらわれる
- 本剤は内耳などの血流を増加・改善することで内耳のむくみを改善する
- 本剤の中には脳内の血流改善作用によってめまいの改善する作用をもつ薬剤もある
ビタミンB12製剤
- ビタミンB12を補い、貧血や末梢神経痛、しびれなどを改善する薬
- ビタミンB12は水溶性(水に溶けやすい性質)ビタミンで細胞の分裂などに欠かせない核酸の合成に関わる
- ビタミンB12は血液中の酸素を運ぶヘモグロビンの合成に関わり貧血などを改善する
- ビタミンB12は末梢神経の修復などに関わり、痛みやしびれなどを改善する
- めまいや耳鳴りなどの治療に使用される場合もある