めまい・耳鳴りを繰り返すメニエール病が多い性別・年齢・地域・家計収入とは?
メニエール病は繰り返すめまいや耳鳴りの症状を特徴とする原因不明の病気で、治療しても症状が長引くことがあります。アメリカの統計から、年齢や性別などによって発生頻度に違いがあるかが検討されました。
◆アメリカのデータをもとに解析
ここで紹介する研究は、アメリカ全国の入院患者のデータベースを使って、2008年から2010年の間に10歳以上でメニエール病と診断された人の数を集計したものです。
統計解析によって、年齢・性別などによってどんな人にメニエール病が多いかが検討されました。
◆女性、高齢者、人口が少ない地域、高収入で多い
次の結果が得られました。
アメリカ合衆国の人口におけるメニエール病
有病率 の下限は10万人あたり73人であり、男性の10万人あたり56人に対して女性で10万人あたり84人だった(オッズ比1.51、95%信頼区間1.48-1.54、P<0.01)。有病率は年齢とともに増加し、81歳から90歳の年齢グループで最も高い有病率が示された。
メニエール病は人口密度がより低い地域でより多く見られ、有病率は人口密度が増えるとともに減少した。
メニエール病の有病率は家計収入とともに増加した。メニエール病の有病率が最も高かったのは家計収入が76パーセンタイルから100パーセンタイルの四分位群であり、10万人あたり86人だった。
アメリカ全国で、メニエール病は全人口のうち10万人あたり73人以上の割合で発生していると見られました。中でも男性より女性に多く、年齢が高いほど、人口密度が低い地域ほど、また高収入であるほど多くなっていました。
メニエール病の原因は不明で、予防法も知られていません。頻度の情報は、疑わしい症状がある人がメニエール病が多い特徴に当てはまれば、ほかの病気よりもメニエール病の診断が考えやすいという判断に役立ちます。
執筆者
Meniere's disease: importance of socioeconomic and environmental factors.
Am J Otolaryngol. 2015 May-Jun.
[PMID: 25771842]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。