ATP(アデノシン三リン酸)製剤
体内のエネルギー供給物質であるATP(アデノシン三リン酸)を主な成分とする製剤で、血管拡張作用により血流や組織代謝などを改善することで、心不全によるむくみなどの改善、眼精疲労や胃炎の改善、メニエール病などによるめまいやその随伴症状(耳鳴り、難聴など)などの改善が期待できる薬

ATP(アデノシン三リン酸)製剤の解説

ATP(アデノシン三リン酸)製剤の効果と作用機序

  • ATP(アデノシン三リン酸)を含み、むくみ眼精疲労・胃炎などの改善やめまいやめまいに伴う耳鳴りなどを改善する薬
    • ATPは体内で必要なエネルギー供給物質で血管拡張作用などもあらわす
    • ATPは脳血管などの血流増加や内耳微小血管の拡張、胃の運動改善など様々な作用をあらわす
    • 本剤はATPを主な成分とする製剤で多くの疾患・症状などに使われる
  • 剤形に散剤、錠剤、注射剤があり用途や症状などによって選択される

ATP(アデノシン三リン酸)製剤の薬理作用

ATP(アデノシン三リン酸)は体内に広く存在し、体内で必要なエネルギーを供給する物質となる。またATPには血管拡張作用があり、臓器の血流を増加したり組織の代謝を賦活させ、これらの機能改善作用をあらわす。

ATP製剤はATPを主成分とし、脳血流、冠血流、胃動脈血流、椎骨・総頸動脈血流の増加や内耳微小血管の拡張、胃の運動や胃粘膜分泌の改善、内耳機能障害の改善など、これら作用により多くの疾患や症状の改善に効果が期待できる。

頭部外傷後の後遺症による頭痛や頭重、めまいなどの改善、心不全によるむくみなどの改善、眼精疲労による眼症状(眼が熱い、チカチカするなど)や頭痛などの全身症状などの改善、慢性胃炎の改善(特に比較的軽い症状の改善)、メニエール病などのめまいによるめまい感や耳鳴り、難聴、耳閉感などの随伴症状の改善目的、不整脈の診断や治療など臨床で多岐に渡り使われている。

ATP(アデノシン三リン酸)製剤の主な副作用や注意点

  • 消化器症状
    • 頻度は非常に稀だが、吐き気、食欲不振、便秘などがあらわれる場合がある
  • 過敏症
    • 頻度は非常に稀だが、痒み、発疹などがあらわれる可能性がある
  • 精神神経系症状
    • 頻度は非常に稀だが、頭痛、眠気などがあらわれる場合がある
  • ジピリダモール(主な商品名:ペルサンチン)との併用に対する注意
    • ジピリダモールのアデノシン取り込み阻害作用により、本剤成分(ATP)の分解物であるアデノシンの血中濃度が上昇する可能性がある
    • 上記により、心血管に対する作用が増える場合があるため併用する際には十分注意する

ATP(アデノシン三リン酸)製剤の一般的な商品とその特徴

アデホス

  • 散剤(顆粒剤)、錠剤、注射剤があり用途などに合わせて選択される
    • アデホス-Lコーワ注(注射剤)の名称由来
      ・ATP(Adenosine Tri Phosphate)の液体(Liquid)に由来

トリノシン

  • 散剤(顆粒剤)、錠剤、注射剤があり用途などに合わせて選択される
    • トリノシンS注射液(注射剤)の名称由来
      ・ATP(アデノシン トリ フォスフェイト)の「ノシン」及び「トリ」と溶液(Solution)に由来