すねのはれ・むくみ
すねのはれ・むくみ

すねのはれ・むくみの基礎知識

概要

すねや足の甲は、体の中で最もむくみが出やすい部位です。軽いむくみであれば、アルコール、食べすぎ、生理などで起きるものが多く、病気ではありません。長期的に続くむくみでは、心臓、腎臓、肝臓、足の血管が原因のものがあります。また、細菌が広がって赤く腫れる蜂窩織炎(ほうかしきえん)という病気もあります。

原因とメカニズム

足のむくみが起きるには、いくつかのメカニズムがあります。大きく分けると体全体がむくむ場合と、足だけがむくむ場合があります。特に女性や高齢者など、病気ではないのに足がむくむことは多いですが、今回は病気に絞って、むくみのメカニズムを解説します。

体全体がむくむ場合、特に立ち仕事や座り仕事が多い人は重力の関係で足がむくみやすいです。例えば心不全腎不全では、尿量が減って水分が体の外に出にくくなるため、体に水が貯まって、むくみます。腎炎やネフローゼ症候群では、尿からタンパク質が漏れるため、血液の浸透圧が下がり、体に水分が滲み出すことで、むくみます。肝硬変では、体内でタンパク質が合成されなくなり、同じような理由でむくみます。

足だけがむくむ原因もいくつかあります。蜂窩織炎では、足に細菌が感染し、赤く腫れてしまいます。静脈瘤や血栓性静脈炎では、静脈の流れが悪いため、血液が心臓に戻らずに片足がむくみます。リンパ浮腫では、手術や腫瘍、放射線が原因でリンパ管の働きが悪くなると、リンパ液の流れが悪くなり、片足がむくみます。

症状から考えられる病気

全身がむくんでいる

心不全腎不全肝硬変、腎炎、ネフローゼ症候群、低蛋白血症、蛋白漏出性胃腸症、甲状腺機能低下症薬剤性浮腫などが考えられます。

片足がむくんでいる

蜂窩織炎、静脈瘤、血栓性静脈炎、リンパ浮腫、静脈瘤、血栓性静脈炎などが考えられます。

赤く腫れている

蜂窩織炎血栓性静脈炎が考えられます。

子宮や卵巣、大腸の手術や放射線治療をしたことがある

リンパ浮腫が考えられます。

怖い病気

心不全

心不全は悪化したり、良くなったりを繰り返します。足がむくむのは悪化のサインなので、すぐにかかりつけの内科医、循環器内科医を受診してください。

腎不全

足がむくむということは、腎臓の病気がかなり進んでいる状態です。大切なのは、透析にならないように悪化を防ぐことです。内科医、腎臓内科の医師とよく相談してください。

受診の目安

・数日以上むくみが続いている
・片足がむくんでいる
・赤く腫れて、痛い

診療科

一般内科・総合診療科

足のむくみの原因は心臓、腎臓、肝臓、細菌感染など、実にさまざまです。特にかかっている病気がない場合は、一般内科の受診が適しています。

循環器内科

心不全の診断、治療に適しています。息切れや胸の苦しさがあったり、過去に心臓の病気(心筋梗塞)がある人は、循環器内科の受診も考えてみてください。

腎臓内科

腎不全、腎炎、ネフローゼ症候群の治療に適しています。

形成外科

リンパ浮腫に対して、リンパ管吻合という手術をしている医療機関もあります。詳しくは医療機関HPを見るか、電話で問合せて見てください。

検査

血液検査

心臓、腎臓、肝臓、感染の状況を調べるのに役に立ちます。

尿検査

腎臓の病気を調べるのに役に立ちます。

治療

原因の病気の治療をすることが大切です。

セルフケア

・立ち仕事を避ける
・弾性ストッキングを履く
・寝るとき、少し足を高くする
・マッサージで血行を良くする