2017.10.26 | ニュース

悪性黒色腫に免疫チェックポイント阻害薬、21か月後までの経過は?

834人の試験の最終解析
from Lancet (London, England)
悪性黒色腫に免疫チェックポイント阻害薬、21か月後までの経過は?の写真
(c) ISerg - iStock

免疫チェックポイント阻害薬に分類されるペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ®)とイピリムマブ(商品名ヤーボイ®)を比較して、皮膚がんの一種である悪性黒色腫への効果を見た試験から、最終結果が報告されました。

免疫チェックポイント阻害薬とは?

ペムブロリズマブとイピリムマブはがん治療薬です。どちらも体の免疫の働きを利用することから「免疫療法」と呼ばれることもあります。

ペムブロリズマブとイピリムマブはそれぞれ進行した悪性黒色腫(メラノーマ)に対する効果が示され、日本でも使用可能となっています。

 

進行した悪性黒色腫に対してペムブロリズマブとイピリムマブを比較

多国籍の研究班が、進行した悪性黒色腫の治療効果の研究結果を、医学誌『Lancet』に報告しました。

この研究は、ペムブロリズマブとイピリムマブの治療効果を比較したものです。この研究の中間解析ではペムブロリズマブが勝っていたことがすでに報告されています。

 

関連記事:免疫チェックポイント阻害薬の比較、進行したメラノーマにキイトルーダ®がヤーボイ®より有効

 

今回の報告は、治療後の参加者をさらに追跡し、参加者全員が追跡期間21か月を超えた(または死亡または離脱した)時点で改めて結果を比較したものです。

834人が参加し、ランダムに3グループに分けられました。

  • ペムブロリズマブ10mg/kgを2週ごとに使用するグループ
  • ペムブロリズマブ10mg/kgを3週ごとに使用するグループ
  • イピリムマブ3mg/kgを3週ごとに4回使用するグループ

評価のために生存期間が比較されました。

 

ペムブロリズマブで生存期間が長い

解析時点までの生存期間を比較すると以下の結果となりました。

全生存期間の中央値は、ペムブロリズマブ群のどちらでも未達であり、イピリムマブ群では16.0か月だった(ペムブロリズマブ2週ごととイピリムマブの比較でハザード比0.68、95%信頼区間0.53-0.87、P=0.0009、ペムブロリズマブ3週ごととイピリムマブの比較で0.68、0.53-0.86、P=0.0008)。

イピリムマブのグループでは、16か月時点まで半数の人が生存していました。ペムブロリズマブを使った2グループではどちらも、解析時点で生存していた人が半数を超えていました。ペムブロリズマブのグループのほうが生存期間が長いと見られました。

副作用の可能性がある症状などとして疲労・下痢などがあり、軽度のものも含めるとペムブロリズマブ2週ごとのグループで82%、ペムブロリズマブ3週ごとのグループで77%、イピリムマブのグループで74%に現れました。

入院が必要な程度以上のものに限るとペムブロリズマブ2週ごとのグループで17%、ペムブロリズマブ3週ごとのグループで17%、イピリムマブのグループで20%の人に現れました。ペムブロリズマブ2週ごとのグループで1人が敗血症で死亡しました。

 

悪性黒色腫にペムブロリズマブは長期的にも有効?

進行した悪性黒色腫に対してペムブロリズマブとイピリムマブを比較した研究を紹介しました。

ペムブロリズマブがイピリムマブに勝る結果がさらに長い期間で確認されました。

ペムブロリズマブは日本では2017年2月に販売開始されたばかりの薬です。新しい薬をどんな場面で使うかの判断に、こうしたデータが役に立ちます。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Pembrolizumab versus ipilimumab for advanced melanoma: final overall survival results of a multicentre, randomised, open-label phase 3 study (KEYNOTE-006).

Lancet. 2017 Aug 16. [Epub ahead of print]

[PMID: 28822576]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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