2017.03.20 | ニュース

膝が痛い人がSkypeで運動レッスンを受けても効果はあるか?

オーストラリア148人の治療で検証

from Annals of internal medicine

膝が痛い人がSkypeで運動レッスンを受けても効果はあるか?の写真

長引く膝の痛みには運動療法が有効です。理学療法士による治療のため、施設に通うか在宅リハビリとする方法がありますが、代わりにSkypeのビデオ通話を使っても有効な運動療法ができるかどうかが検証されました。

オーストラリアなどの研究班が、慢性の膝の痛みがある50歳以上の患者148人を対象に、Skype™のビデオ通話を使った指導の効果を調べ、医学誌『Annals of Internal Medicine』に報告しました。

この研究では、対象者がランダムに2グループに分けられました。

  • Skypeを使って理学療法体の障害に対して、動かしたり、電気や熱で刺激したりすることを通じて行う治療。理学療法士はPT(Physical Therapist)と呼ばれる士による家庭での運動とペインコーピング(痛みがあるときに対処する技術)の指導を3か月のうちに7回受けるグループ(介入群)
  • インターネット上の教材を提供されるグループ(対照群)

3か月の治療終了後と、さらに6か月経った9か月時点で、痛み・身体機能などを比較して効果を判定することと決められました。

 

次の結果が得られました。

介入群は3か月時点で対照群よりも痛みの改善が有意データを分析して導かれた結果が、偶然ではなく「意味が有る」必然的な値であると推測できることに大きく(平均差1.6単位、95%信頼区間0.9-2.3)、身体機能の改善が有意に大きく(平均差9.3単位、信頼区間5.9-12.7)、改善は9か月時点まで持続した(痛みの平均差1.1単位、信頼区間0.4-1.8、身体機能の平均差7.0単位、信頼区間3.4-10.5)。

3か月後の治療終了時点で、Skype指導を受けたグループのほうが、歩くときの痛みと身体機能が改善していました

 

膝の痛みに対してSkypeを使った運動指導で効果が見られたというデータを紹介しました。

ただ教材を読むよりも、画面の向こうに人がいるほうが身に付くのかもしれません。

インターネットや通信技術を医療に取り込む試みはさまざまな分野でなされています。医療機関までのアクセスが悪い地域などでは特に大きな違いを生み出すことも考えられます。ビデオ通話による指導が役に立つ場面が今後見いだされていくかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎


参考文献

Effectiveness of an Internet-Delivered Exercise and Pain-Coping Skills Training Intervention for Persons With Chronic Knee Pain: A Randomized Trial.

Ann Intern Med. 2017 Feb 21. [Epub ahead of print]

[PMID: 28241215]

*本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。 [執筆者一覧]