慢性特発性蕁麻疹に対するビラスチンの効果
日本人を対象に、新薬のビラスチン(商品名ビラノア)で慢性特発性蕁麻疹を治療する効果を調べた研究を紹介します。この研究は専門誌『Allergology International』に報告されました。
「特発性」とは原因不明という意味です。4週間以上原因不明の蕁麻疹が続いている成人患者304人が対象とされました。
対象者はランダムに3グループに分けられました。
- ビラスチンを1日1回20mg飲むグループ
- ビラスチンを1日1回10mg飲むグループ
- 偽薬を1日1回飲むグループ
効果を評価するため、発疹の見た目とかゆみの重さを表すスコアが使われました。2週間の治療後に効果が比較されました。
蕁麻疹の症状が改善
2週間後に、症状の重さのスコアは偽薬のグループの95人では平均1.47ポイント改善していましたが、ビラスチン20mgのグループ100人では平均3.02ポイント改善し、偽薬よりも大きな改善となりました。
ビラスチンを飲んだグループの中で、副作用の可能性があることとして頭痛(10mgのグループで3人、20mgのグループで2人)、眠気(10mgのグループで2人)などが現れました。
蕁麻疹にはビラスチン?
ビラスチンの慢性特発性蕁麻疹に対する効果の報告でした。ビラスチンが蕁麻疹治療の役に立つ場面があるかもしれません。
ビラスチン(商品名ビラノア)は、海外でもすでに使われているほか、日本でも「アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)に伴うそう痒」を効果・効能として2016年11月から販売されています。1日1回空腹時に飲む薬です。
ビラスチンは抗ヒスタミン薬に分類されます。抗ヒスタミン薬にはすでに多くの種類があり、それぞれの特徴を活かすように使い分けられています。
蕁麻疹ははっきりと原因が見つかる場合もありますが、かなりの場合で原因不明です。原因不明でも赤みやかゆみを抑える薬の効果は期待できます。新薬も続々と開発され、治療法は長年のうちに工夫を重ねられています。長引くかゆみに悩んでいる方も、根気よく医師と相談して、自分に合った治療法を探してみてください。
執筆者
Efficacy and safety of bilastine in Japanese patients with chronic spontaneous urticaria: A multicenter, randomized, double-blind, placebo-controlled, parallel-group phase II/III study.
Allergol Int. 2016 Sep 2. [Epub ahead of print]
[PMID: 27599913]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。