2016.05.26 | ニュース

オメガ3脂肪酸は本当に認知症にいいのか?

文献の調査から
from The Cochrane database of systematic reviews
オメガ3脂肪酸は本当に認知症にいいのか?の写真
(C) Ocskay Bence - Fotolia.com

青魚に多く含まれるDHA、EPAなどのオメガ3脂肪酸は、健康に役立つという期待から、認知症に有効ではないかという観点でも研究されています。実際に使ったときはどんな結果が出ているのでしょうか。これまでの研究報告の調査が行われました。

◆認知症にオメガ3脂肪酸は効く?

ここで紹介する研究は、文献を調査する方法により、オメガ3脂肪酸(オメガ3多価不飽和脂肪酸)の効果を認知症がある人を対象として調べた研究からこれまでにどんな結果が出ているかをまとめたものです。

 

◆アルツハイマー病の認知機能に改善なし

見つかった3件の研究では、軽度から中等度のアルツハイマー病がある人を対象として、6か月以上の期間にわたってオメガ3脂肪酸のサプリメントを飲む効果が検討されていました。

その中で次の結果が出ていました。

6か月時点で、ω3 PUFAによる有益な効果は、認知機能についてADAS-cogで評価したときにも(標準化平均差-0.02、95%信頼区間-0.19から0.15、566人、3件の研究、高い質のエビデンス)、MMSEで評価したときにも(平均差0.18、95%信頼区間-1.05から1.41、202人、2件の研究、高い質のエビデンス)、日常生活動作について評価したときにも(標準化平均差-0.02、95%信頼区間-0.19から0.16、544人、2件の研究、高い質のエビデンス)、あるとする根拠がなかった。

2件の研究が、すべての有害事象は軽度であり、ω3 PUFA群と偽薬群との間に全体としての頻度に差がなかったことを記していた。

飲み始めて6か月後の時点で、認知機能を改善する効果は確かめられませんでした。明らかな副作用も見つかりませんでした。

 

アルツハイマー病を始め、認知症で起こる脳や全身の変化はまだよく理解されていません。サプリメントとしても市販されているオメガ3脂肪酸には「体にいい」というイメージがあるかもしれませんが、認知機能に対しては効果があると言えるデータは出ていませんでした。オメガ3脂肪酸に期待できることにも限界があるようです。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Omega-3 fatty acids for the treatment of dementia.

Cochrane Database Syst Rev. 2016 Apr 11.

[PMID: 27063583]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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