◆312人で血圧への効果を検討
ここで紹介する研究は、以前に行われた研究のデータを改めて解析する方法で行われました。もとの研究では、健康な人312人が対象となり、オメガ3脂肪酸を含むフィッシュオイルの効果が検討されていました。
対象者はフィッシュオイルからEPAとDHAを1日0.7g摂取したとき、1日1.8g摂取したとき、摂取しなかったときで、血圧を比較されました。
◆開始時に収縮期高血圧があった人だけ効果あり
詳しく調べたところ、次の結果が得られました。
ベースラインの高血圧の有無によって応答を評価したところ、収縮期高血圧がある人(31人)に限って、フィッシュオイルによる収縮期血圧の低下(平均5mmHg)が見られた。
研究開始時点で、収縮期血圧(最高血圧)だけが高い収縮期高血圧があった人でだけ、フィッシュオイルにより収縮期血圧が5mmHg程度下がっていました。
オメガ3脂肪酸の研究は数多くありますが、どんな人にとって有益かという観点も含めて読み解く必要があるかもしれません。
執筆者
Consumption of Fish Oil Providing Amounts of Eicosapentaenoic Acid and Docosahexaenoic Acid That Can Be Obtained from the Diet Reduces Blood Pressure in Adults with Systolic Hypertension: A Retrospective Analysis.
J Nutr. 2016 Mar.
[PMID: 26817716]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。