変形性股関節症に適切な運動療法とは?
変形性股関節症は、股関節の軟骨がすり減ったり、変形することなどにより痛みを発症する病気です。今回は、変形性股関節症に対する治療のガイドライン作成のため運動療法の効果を検討した結果を紹介します。
◆変形性股関節症の治療ガイドラインによる運動療法
◆運動療法には筋力トレーニングが推奨
次の結果が得られました。
4件の高い質の研究を解析に採用した。これらの中で、筋力トレーニング、筋肉のストレッチ、関節の柔軟運動が変形性股関節症の管理を改善するために概して効果的であることが示された。短期間(8-24週間)において、筋力トレーニングが、痛み(評価A)、障害(評価A、C+)、身体機能(評価A)、関節の硬さ(評価A)、そして、可動域(評価A)に対する最も大きな効果を示した。筋肉のストレッチも身体機能(評価A)を大きく改善した。そして、関節の柔軟運動は痛み(評価A)、可動域(評価A)、身体機能(評価A)、関節の硬さ(評価C+)を改善した。
集められた論文のデータでは、変形性股関節症による痛み、関節の硬さ、障害、身体機能、そして、関節が動く範囲を改善させるために、筋力トレーニングの効果が最も高い推奨度の基準を満たしました。筋肉のストレッチも身体機能を改善するために高い推奨度の基準を満たしました。さらに、関節の柔軟運動は痛み、関節が動く範囲、身体機能を改善するために高い推奨度の基準を満たしました。
診療ガイドラインは治療や検査の場面において、医療従事者や患者が適切な判断を下すことを助けるために作成されます。変形性股関節症によって起こる痛みや、障害は多くの人を悩ませるため、このような
執筆者
Ottawa Panel evidence-based clinical practice guidelines for therapeutic exercise in the management of hip osteoarthritis.
Clin Rehabil. 2015 Sep 23. [Epub ahead of print]
[PMID: 26400851]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。