2016.03.22 | ニュース

脳卒中後は性別で死亡率が変わる?

中国で2,360人を対象に分析
from Biology of sex differences
脳卒中後は性別で死亡率が変わる?の写真
(C) Andrey Popov - Fotolia.com

脳卒中後に影響を与える病気の一つに糖尿病があります。糖尿病がある脳卒中患者さんの死亡率は性別で変化するのでしょうか。中国で分析された研究を紹介します。

◆糖尿病がある脳卒中患者の死亡率は性別で違うのか

中国で2005年5月から2014年9月までの間、糖尿病がある脳卒中患者2,360名が対象となりました。性別の違いによる死亡率、脳卒中の重症度、再発率の違いが統計解析されました。発症から3ヶ月、12ヶ月、36ヶ月時点での違いを調べられました。

 

◆女性の方が死亡率が高かった

以下の結果が得られました。

入院時の脳卒中発症の年齢、National Institute of Health stroke scale、modified rank[ママ] scaleは男性よりも女性の方が大きかった(P<0.05)[...]。脳卒中後の3ヶ月(7.9%対5.2%)、12ヶ月(12.2%対8.2%)、36ヶ月(21.9%対16.1%)で、男性よりも女性の方が高い死亡率が認められた[...]。

女性の方が、発症年齢が高く、脳卒中は重度でした。脳卒中発症後の3ヶ月、12ヶ月、36ヶ月の全てが男性よりも女性の死亡率が高かったという結果が示されました。

 

なぜ女性の方が死亡率が高いのかというところで、「この研究では、女性の急性虚血脳卒中患者は高血圧、心房細動脂質異常症肥満を持っている可能性がより大きいことが見いだされた。女性は男性よりもコントロールした危険因子のための目標値を達成する可能性が低く、このことによって糖尿病のある急性虚血性脳卒中患者の中の危険因子における性差が説明されるかもしれない。」と筆者らは述べています。これらがどの程度死亡率に影響を及ぼすのかさらなる調査が期待されます。

執筆者

PT K.S

参考文献

Sex differences in long-term outcomes among acute ischemic stroke patients with diabetes in China.

Biol Sex Differ. 2015 Dec.

[PMID: 26640642]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。