2016.03.15 | ニュース

2050年には世界の人口の半数が近視に

210万人のデータから解析
from Ophthalmology
2050年には世界の人口の半数が近視にの写真
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室内で過ごす時間の増加や、デジタル機器の多用などにより近視が増えています。オーストラリアの研究チームが各国の研究データ145件を分析し、2050年には世界の人口の半数が近視になるという予測を報告しました。

◆145件210万人分の研究データを分析

研究チームは、1995年以降に報告された145件210万人分の研究データと人口データを分析し、2000~2050年までの近視と強度近視の人数を推定しました。

 

◆2050年には世界の人口の半数が近視に

次の結果が得られました。

2000年では近視が14億600万人(世界人口の22.9%; 95%信頼区間, 9億3200万-19億3200万 [15.2%-31.5%])、強度近視が1億6300万人(世界人口の2.7%; 95%信頼区間, 8億6千万-38億7千万 [1.4%-6.3%])と推定した。2050年には近視が47億5800万人(世界人口の49.8%; 95%信頼区間,36億2000万-60億5600万 [43.4%-55.7%])、強度近視が9億3800万人(世界人口の 9.8%; 95%信頼区間,4億7900万-21億400万[5.7%-19.4%])と予測する。

2050年には世界人口の49.8%が近視となり、9.8%が強度近視になる予測を報告しました。

 

日本の学校検診による平成26年度文部科学省学校保健統計調査報告書では、裸眼視力1.0未満の割合が、小学生で30.16%、中学生で53.04%、高等学校生で62.89%となり、平成6年度より高い水準にあります。

働き盛りで目を酷使する職業の方も視力低下しやすくなります。

大人も子供も、なるべくデジタル機器を見続ける時間を減らし、屋外で過ごす時間を増やすようにしたいところです。

強度近視については放って置くと視力障害や失明などリスクになるので、定期的に眼科を受診されることをおすすめします。

参考文献

Global Prevalence of Myopia and High Myopia and Temporal Trends from 2000 through 2050.

Ophthalmology. 2016 Feb 11.

[PMID: 26875007]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。