2016.03.10 | ニュース

ボツリヌス毒素で痛みを軽く、脊髄損傷のあとの痛みに

40人の治療で検証
from Annals of neurology
ボツリヌス毒素で痛みを軽く、脊髄損傷のあとの痛みにの写真
(C) chanawit - Fotolia.com

ボツリヌス毒素は神経から伝わる信号を抑える働きがあり、筋肉の異常な緊張が起こる病気の治療に使われています。脊髄損傷によって起こる痛みにも効果があるかが研究されました。

◆脊髄損傷による神経障害性疼痛を治療

脊髄損傷などで神経が傷付くことによって起こる神経障害性疼痛は、通常の治療で治りにくいという特徴があります。この研究では、脊髄損傷のあとに神経障害性疼痛がある人40人が対象となりました。

対象者はランダムに、ボツリヌス毒素の注射を受けるグループと、偽薬を使うグループに分けられ、注射から4週間後、8週間後の痛みなどを比較されました。

 

◆痛みが軽くなる効果

次の結果が得られました。

注射から4週後および8週後に、BTX-A群では痛みのVASスコアは有意に減少し、4週後に18.6±16.8の減少、8週後に21.3±26.8の減少となった。対して偽薬群では4週後に2.6±14.6の減少、8週後に0.3±19.5の減少だった。

ボツリヌス毒素を注射したグループで、4週間後、8週間後とも、痛みが軽くなっていました

研究班は「これらの結果は、A型ボツリヌス毒素が脊髄損傷の患者において治りにくい慢性の神経原性疼痛を緩和しうることを示す」と結論しています。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Botulinum Toxin Type A for Neuropathic Pain in Patients with Spinal Cord Injury.

Ann Neurol. 2016 Jan 27. [Epub ahead of print]

[PMID: 26814620]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。


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