2015.08.23 | ニュース
脳卒中後の腕の硬さはボツリヌス毒素で改善する
メタ分析により検証
from Clinical rehabilitation
(C) nebari - Fotolia.com
脳卒中後の後遺症の一つに、腕が曲がったまま硬くなる痙縮(けいしゅく)という症状があります。これに対する治療として、ボツリヌスという細菌が作る毒素を使った治療の効果検証が行われました。
◆過去の研究からボツリヌス毒素の効果を検証
ボツリヌス毒素は、神経から筋肉に伝わる信号を抑える作用があり、筋肉のけいれんを抑える治療に使われています。最近は脳卒中後の痙縮に対しても、ボツリヌス毒素によって腕の硬さを改善する治療が研究されています。
この研究では、過去に行われた研究を集めて検証し、腕の硬さに対するボツリヌス毒素の効果を調べました。
◆ボツリヌス毒素により、腕の硬さが改善
過去の研究を調べた結果、ボツリヌス毒素の使用後、4~12週間にわたり腕の動きが改善したことを示しました。
さらに、「これらの効果は、Active Research Arm Test (ARAT)において6ヵ月まで維持された[...]」という結果が見られ、治療効果の継続にも有用であることが示唆されました。
ボツリヌス毒素という新たな治療の今後に期待がかかります。
執筆者
参考文献
The efficacy of Botulinum Toxin A for limb spasticity on improving activity restriction and quality of life: A systematic review and meta-analysis using theGRADE approach.
Clin Rehabil. 2015 Jul 6
[PMID: 26150020]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。