◆アナキンラ治療薬と偽薬を使うグループにランダムに分け検証
アナキンラは炎症を抑える薬で、関節リウマチの治療に使われています(日本では未承認)。
今回の研究は、重度の症状を持っている化膿性汗腺炎患者を対象としました。対象者は治療薬を使用するグループと、偽薬を使用するグループにランダムに分けて検証が行われました。対象者は薬を12週間の間、1日1回皮膚に注射して治療を受けました。薬を注射する前と薬による治療直後、治療を終えてから12週間後に血液検査が行われました。
◆アナキンラ治療薬は有効
次の結果が得られました。
疾患活動性評価のスコアが治療の終了時で偽薬を注射した群の20%(10人中2人)で減った、そして、アナキンラ治療薬を注射した群67%(9人中6人)で減った(P=0.04)。化膿性汗腺炎の臨床応答は12週間後において、偽薬を注射した群で30%(10人中3人)、そして、アナキンラ治療薬を注射した群で78%(9人中7人)に見られた(P=0.04)。
アナキンラ治療薬を注射したグループの方が偽薬を注射したグループより多くの人に、症状が軽減される効果が見られました。
この結果から、研究者達は「アナキンラは化膿性汗腺炎に効果的、かつ、忍容性が良好な治療法になる可能性を持っている」と述べています。
今後の化膿性汗腺炎の治療に役立てるために、このような研究結果は参考にされるかもしれません。
執筆者
Safety and Efficacy of Anakinra in Severe Hidradenitis Suppurativa: A Randomized Clinical Trial.
JAMA Dermatol. 2016 Jan 1.
[PMID: 26579854]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。