血圧を下げて病気を防ぐ効果は、血圧の程度や持病、薬の種類で変わるのか?
高血圧の人は血圧を下げれば、病気のリスクを減らせます。今回、オックスフォード大学の研究チームが、降圧薬の効果と飲み始める時の血圧の程度などとの関連について、大規模な文献調査の結果を報告しました。
◆降圧薬の効果を3つの要因から検討
今回の研究では、過去の文献からデータを集める方法により、以下の関連が検討されました。
降圧薬が心臓や血管の病気(心筋梗塞や脳卒中など)のリスクを下げる効果は、
- 薬を飲み始めたときの血圧の程度
- 糖尿病や腎臓病などの持病
- 薬の種類
によって変わるのか。
123件の文献が集まり、613,815人のデータが解析されました。
◆高血圧の程度や持病、薬の種類に関係なく降圧薬でリスクは下がる
降圧薬によって血圧が10mmHg下がるごとに、心筋梗塞や脳卒中などのリスクが20%、死亡リスクが13%下がりました。
この効果は、ほぼ持病に関係なく、また、どんな種類の降圧薬でも見られました。
ただし、以下の違いが見られました。
結果について、研究チームは「
降圧薬は、飲み始めたときの血圧の程度に関係なく心筋梗塞や脳卒中のリスクを下げることが示されました。イギリスの高血圧治療
執筆者
Blood pressure lowering for prevention of cardiovascular disease and death: a systematic review and meta-analysis.
Lancet. 2015 Dec 23. [Epub ahead of print]
[PMID: 26724178]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。