ロタウイルス感染症の予防接種の料金・費用と副作用について解説

この記事のポイント
2. ロタウイルスの予防接種に使うワクチンについて詳しく解説
3. ロタウイルスの予防接種、その料金・費用は?
ロタウイルス下痢症は、ロタウイルスが原因で主に子どもが発症する急性の感染性胃腸炎です。感染予防の方法のひとつに予防接種があります。今回は、ロタウイルスの予防接種とその料金・費用などについて解説します。
◆ロタウイルスのワクチン予防接種について
ロタ
ロタウイルスの予防接種は、生ワクチンになります。ワクチンの種類には、主に生ワクチンと不活化ワクチン、トキソイドがあります。不活化ワクチンと生ワクチンの違いは、ワクチンに含まれるウイルス(または
日本で承認されているロタウイルスの予防接種に用いられる生ワクチンは、2種類です。ひとつは、商品名ロタリックス®(一般名:弱毒性ヒトロタウイルス(RIX4414株))、もうひとつは商品名ロタテック®(一般名:5価経口弱毒性ロタウイルスワクチン)です。どちらも目的は、「ロタウイルスによる胃腸炎の予防」になりますが、それぞれいくつかの特徴が異なるため、解説していきます。
◆ロタウイルスの予防接種に使うワクチンについて詳しく解説
ロタウイルスの予防接種に使うワクチン、ロタリックス®とロタテック®について説明します。
- ロタリックス®
- 対象は、生後6週から生後24週までの乳児です。単価のワクチンで、1回の接種量は1.5ml、接種回数は2回で、初回と2回目の間は中4週間あけることになっています。
早産 児にも同様に使用できるとされています。初回の接種は、生後14週と6日以内であることが推奨されています。
- 対象は、生後6週から生後24週までの乳児です。単価のワクチンで、1回の接種量は1.5ml、接種回数は2回で、初回と2回目の間は中4週間あけることになっています。
- ロタテック®
- 対象は、生後6週から生後32週までの乳児です。5価のワクチンで、1回の接種量は2ml、接種回数は3回で、各回の間は中4週間あけることになっています。早産児にも同様に使用できるとされています。初回の接種は、生後14週と6日以内であることが推奨されています。不活化ワクチンの接種を受けた場合は、6日以上の間隔を置くことが必要です(医師の判断によっては、6日以上置かずに接種する場合もあります)。
どちらのワクチンも、接種する際に以下のことに気をつけなければいけません(引用元:国立感染症研究所「ロタウイルス感染性胃腸炎とは」)。
- 接種してはいけない人
- 接種する際に注意が必要な人
- 心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害等の
基礎疾患 を有する者- 予防接種で接種後2 日以内に発熱のみられた者及び全身性
発疹 等のアレルギー を疑う 症状を呈したことがある者- 過去に痙攣の既往のある者
- 免疫機能に異常がある疾患を有する者及びそのおそれがある者、免疫抑制をきたす治 療を受けている者、近親者に先天性免疫不全症の者がいる者
- 胃腸障害(活動性胃腸疾患、慢性下痢)のある者
ロタリックスもロタテックも予防率は90%程度と言われており、どちらもその有効性はほぼ変わりません。
ロタリックスの副作用は、下痢、咳・鼻水、発熱、食欲不振、嘔吐、腹痛などが報告されています。ロタテックでは、下痢、胃腸炎、嘔吐、発熱などが報告されています。これらの副作用のほとんどが数日以内で改善しています。
ワクチンを接種すると、1週間程度はワクチンに含まれていたロタウイルスが便に含まれています。そのウイルスが、感染源となり、ロタウイルス感染症を発症する可能性は非常に低いと言われていますが、手洗いは十分に行うと良いでしょう。
◆ロタウイルスの予防接種、その料金・費用は?
それでは最後に、ロタウイルスの予防接種にかかる費用・料金について説明します。
ロタウイルスの予防接種は、以前は任意のワクチンでしたがに2020年10月1日から定期のワクチンになりました。そのため、基本的にワクチンの費用は無料になります。詳しくはお近くの医療機関に確認してから受診するようにしてください。
ロタウイルス感染症の予防接種について、解説してきました。もしロタウイルスに感染した場合の症状や原因、対処法の詳しい説明に関しては、ロタウイルス下痢症の基礎知識ページも参照してください。
◎2020年10月1日にロタウイルスの定期接種化を受けて一部内容を変更しています。
メドレー編集部
執筆者
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。