アルツハイマー病でも認知リハビリテーションで自立した生活ができる!
アルツハイマー病は認知症を起こす原因として最も多い病気です。記憶力や思考能力がゆっくりと低下していくため、日常生活の中でも障害になりやすいと考えられます。認知リハビリテーションが日常生活の活動にもたらす効果を検証されました。
◆認知リハビリテーションが日常生活でのパフォーマンスに効果
認知リハビリテーションは患者の記憶力、注意力、推理力などの向上を目的として行われます。
今回の研究では、合計43人(男性15人、女性28人)が対象となりました。対象者は認知リハビリテーションを受けるグループと、受けないグループに分けられました。認知リハビリテーションは8週間の間、週1回、60分のリハビリを受けました。認知リハビリでは、記憶力トレーニングや集中力トレーニングなどが行われました。対象者は認知リハビリを受けたあとに、人の名前を覚える、携帯の使い方を習うなど様々な日常生活での活動評価を行いました。
◆認知リハビリテーションで日常生活のパフォーマンスが向上
次の結果が得られました。
認知リハビリテーションを受けたグループで
有意 な向上が、日常生活のパフォーマンス評価と満足度、アルツハイマー病の生活の質アンケート[...]に見えた。 コントロールグループでは、どのテストにおいても介入前後で有意な違いが見られなかった。
認知リハビリテーションを受けると、料理中の注意力や食事の支度など日常生活において自立した生活を営むための活動が向上したという結果が報告されました。
記憶力や、思考能力が低下してしまうと、日常生活全般の様々な場面で影響が生じてしまいます。今回の研究で、認知リハビリテーションの可能性が示されました。高齢化にともなって、アルツハイマー病を持っていても、仕事や家事など、日常生活の様々な活動を向上させる試みが、今後ますます重要になっていくかもしれません。
執筆者
Cognitive rehabilitation for elderly people with early-stage Alzheimer's disease.
J Phys Ther Sci. 2015 Feb.
[PMID: 25729212]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。