2016.02.05 | ニュース

マンモグラフィーの結果が外れやすい女性の4つの特徴

40万人の登録データから

from Annals of internal medicine

マンモグラフィーの結果が外れやすい女性の4つの特徴の写真

マンモグラフィーは乳がんを見つけ出す性能が高いとされていますが、絶対ではありません。検査結果が最終的な診断と一致しないことは、どんな人に多いのでしょうか。

◆偽陽性・偽陰性はどんな人に多いか

検査で病気の可能性があるという結果(陽性)が出ても、最終的な診断では病気がないとされることがあります。このような検査結果を偽陽性と言います。反対に、実際は病気があるのに検査で指摘されないことを偽陰性と言います。

研究班は、マンモグラフィーを受けた女性の中で、偽陽性や偽陰性がどんな人に多いかを調べました。

アメリカの登録データベースから、40歳から89歳の女性でマンモグラフィーを受けた405,191人を対象として、統計解析を行いました。

 

◆若い人ほど偽陽性が多い

次の結果が得られました。

偽陽性の結果の率(女性1,000人あたり121.2件、95%信頼区間105.6-138.7)、画像検査の追加の推奨の率(女性1,000人あたり124.9件、95%信頼区間109.3-142.3)は40歳から49歳の女性で最も高く、年齢が上がるごとに減少した。

偽陰性の結果の率(女性1,000人あたり1.0から1.5件)[...]は年齢によって大きく違わなかった。

偽陽性の率はリスク要因のある女性でより高く、特に乳がんの家族歴がある、以前に乳腺生検で良性の結果がある、乳腺密度が高い、また若い女性でBMIが低い場合で高かった。

偽陽性は女性1,000人のうち100人を超える人で出ていると見られました。偽陰性は女性1,000人あたり1件から1.5件程度と見られました。

40歳以降で若い人ほど偽陽性が多いと見られました。さらに偽陽性が多い人の特徴が見つかりました。

  • 家族で以前に乳がんが見つかっている
  • 以前に乳腺を切り取る検査を受け、がんはないと診断されたことがある
  • 画像上で濃く写る「乳腺密度が高い」という特徴がある
  • BMI(体重÷身長の2乗)が低いやせた人で、かつ若い

 

乳がんはがんの中では比較的若い人に多いものですが、毎年マンモグラフィーを受けるべき年齢は40歳よりは高いという意見があります。

検査は多く受けるほどよいものではなく、「がんかもしれない」という結果を見て必要以上に心配になったり、体を傷付ける検査で出血や感染が起こるリスクもあります。どんなときにマンモグラフィーを受けるのが適切かを判断するために、こうしたデータが役に立つかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Factors Associated With Rates of False-Positive and False-Negative Results From Digital Mammography Screening: An Analysis of Registry Data.

Ann Intern Med. 2016 Jan 12. [Epub ahead of print]

[PMID: 26756902]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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