2016.01.15 | ニュース

乳がん発見に、超音波検査はマンモグラフィーの代わりになるのか?

2,662人の検査結果から
from Journal of the National Cancer Institute
乳がん発見に、超音波検査はマンモグラフィーの代わりになるのか?の写真
(C) paylessimages - Fotolia.com

マンモグラフィーは乳がんを見つけ出す検査として広く行われています。乳がんの検査には、ほかに超音波検査も使われます。マンモグラフィーが使えない地域を想定して、代わりに超音波検査で乳がんを調べる研究が行われました。

◆3年の検査の結果

この研究は、アメリカ、アナダ、アルゼンチンの20の施設で行われました。参加者2,662人が年に1回ずつ、計3回にわたって、超音波検査マンモグラフィーを併用した検査を受けました。

さらに、検査結果に応じて、乳房の組織を切り取る検査(生検)が行われ、診断が確定されました。確定された診断によって、超音波検査とマンモグラフィーによる陽性正診率(検査が陽性だった場合のうち、実際にがんがあった割合)、偽陽性の率(検査が陽性だったが、実際にはがんがなかった割合)などが計算されました。

 

◆超音波検査は偽陽性が多い

次の結果が得られました。

がんの検出率は超音波検査で111件中58件(52.3%)、マンモグラフィーで111件中59件(53.2%、P=0.90)と同等であり、超音波検査によって検出されたがんは浸潤性である場合が多かった(超音波検査で58件中53件、91.4%、腫瘍径中央値12mm、範囲2mm-40mm、マンモグラフィーで59件中41件、69.5%、腫瘍径中央値13mm、範囲1mm-55mm、P<0.001)。

4,814件の新規発症スクリーニング(2年目と3年目)では、[...]生検の率は超音波検査で5.5%(266件)、マンモグラフィーで2.0%(97件、P<0.001)であり、陽性正診率は超音波検査で11.7%(266件中31件)、マンモグラフィーで38.1%(97件中37件、P<0.001)だった。

2年目と3年目の検査で、超音波検査のほうが多く、生検が必要という結果を出しましたが、そのうち最終的にがんと確定した割合はマンモグラフィーのほうが大きくなりました。

全体で見つかったがんのうち、超音波検査は58件、マンモグラフィーは59件を発見し、その割合に違いは見られませんでした。超音波検査で見つかったがんのうちでは、マンモグラフィーで見つかったがんよりも、周りの組織に広がっているタイプのものの割合が多くありました。

研究班は「超音波検査によるがんの検出率はマンモグラフィーと同等であり[...]超音波検査によるスクリーニングでは偽陽性がより多かった」とまとめています。

 

こうした研究から検査の特性を知ることで、状況に応じて適切な検査を選び、診断に役立てることができるかもしれません。

 

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執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Ultrasound as the Primary Screening Test for Breast Cancer: Analysis From ACRIN 6666.

J Natl Cancer Inst. 2015 Dec 28.

[PMID: 26712110]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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