2016.01.04 | ニュース

多発性硬化症の認知機能にモダフィニル

16人の患者を分析

from Rehabilitation psychology

多発性硬化症の認知機能にモダフィニル の写真

多発性硬化症は、脳や脊髄の神経の炎症により、物忘れなどの認知機能や運動機能に障害が見られる病気です。今回の研究では、多発性硬化症の認知機能にモダフィニルが有効であるか検証しました。

◆多発性硬化症の認知機能にモダフィニルは有効か?

モダフィニルは、従来では過眠症や睡眠時無呼吸症候群などに使われる薬で、精神活動を高めると言われています。

今回の研究では、多発性硬化症患者16人を対象に、別々の期間で、モダフィニルを服用する期間と偽薬を服用する期間に分け、モダフィニルの効果を検証しました。

 

◆モダフィニルは単純な記憶力は改善しないが、作業記憶は改善する

以下の結果が得られました。

モデフィニルは学習や記憶力に効果は見られなかった。 モダフィニルを200mg服用した人では、偽薬と比較して、2つのうちの1つのワーキングメモリの評価であるthe Wechsler Adult Intelligence Scale-III (WAIS-III)の文字と数を追跡する課題が改善した。

モデフィニルを服用すると、何か作業をしながら記憶する能力が改善したという結果でした。

 

多発性硬化症の原因は正確にはわかっておらず、根治する方法も知られていません。症状は和らいだり再発したりを繰り返すことが多く、重い症状が続くことあります。できるだけ早く、より有効な薬が検証されることを期待します。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

Cognitive Effects of Modafinil in Patients With Multiple Sclerosis: A Clinical Trial.

Rehabil Psychol. 2015 Dec 14

[PMID: 26654280]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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