2015.12.24 | ニュース
喉に電気で刺激をすると脳梗塞後の飲み込みが改善
82人を分析
from Archives of physical medicine and rehabilitation

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脳の中でも、呼吸に欠かせない延髄という部位は、飲み込む能力にも関連していると言われています。今回の研究では、脳梗塞で延髄が傷付いた後の飲み込む力の改善に電気刺激が有効であるか検証しました。
◆喉への電気刺激の効果
今回の研究では、延髄の
- 従来の飲み込みを改善する治療法
- 従来の治療に加えて、喉の筋肉に電気刺激を行う治療法
- 従来の治療に加えて、喉の感覚神経に電気刺激を行う治療法
◆電気刺激をするとより飲み込む力は改善し、特に神経への刺激が効果的
以下の結果が得られました。
すべての群で嚥下機能が改善し(p≦0.01)、従来の治療法に感覚神経への電気刺激を行った群ではその他の2群よりもより大きく改善し、従来の治療法に筋肉への電気刺激を行った群では従来の治療法のみの群よりもより大きく改善した(p<0.05)。
飲み込む機能は、これまで行われてきた飲み込む練習に加えて、感覚神経への電気刺激を行った群でもっとも改善し、次いで筋肉へ電気刺激を行った群、従来の治療法という順番で改善しました。
これまで行われてきた飲み込む練習をさらに効果的にするためには、電気刺激を行うと良いという研究結果でした。効果的なのであれば、参考にしてみるのも良いかもしれません。
執筆者
参考文献
Effectiveness of Neuromuscular Electrical Stimulation on Dysphagic Patients with Medullary Infarction.
Arch Phys Med Rehabil. 2015 Nov 19
[PMID: 26606872]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。