2015.12.03 | ニュース

乳がんのストレスに認知行動療法

アメリカの研究チームが100人を分析
from Cancer
乳がんのストレスに認知行動療法 の写真
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乳がんの後遺症が続くと、生活の質(QOL)やうつ症状に影響する可能性が考えられています。今回の研究では、乳がんのうつ症状に対する長期的なストレス管理として、認知行動療法の有効性を検証しました。

◆乳がんのうつ症状に認知行動療法は有効か?

今回の研究では、過去に乳がん後の認知行動療法の効果を検証した臨床試験に参加した100人を対象に、最長で調査開始から15年にわたって、追跡調査を行いました。

認知行動療法は、ストレスの軽減を図るために、ストレスの要因を探りその要因に対する対処法を身につける治療を行いました。認知行動療法を行ったことと、うつ症状の関連性を検証しました。

 

◆認知行動療法はうつ症状と長期的にも関連する

以下の結果が得られました。

認知行動ストレスマネージメントに振り分けられた参加者は、共変量の効果を考慮しても、有意にうつ症状がより低く(d=0.63、95%信頼区間0.56-0.70)、QOLがより高かった(d=0.58、95%信頼区間0.52-0.65)。

認知行動療法に基づいたストレス管理をした人は、長期的にうつ症状が低いことと関連していたという結果でした。

 

乳がん発症後に手術を行うと、精神的なダメージを負う方が多く、それらを軽減する治療法の確立が望まれます。今回の研究結果を参考にしながら、主治医と相談し、ストレスの軽減を図ると良いかもしれません。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

Long-term psychological benefits of cognitive-behavioral stress management for women with breast cancer: 11-year follow-up of a randomized controlled trial.

Cancer. 2015 Jun 1

[PMID: 25809235]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。