心臓の血管が石灰化すると10年以内に何が起きるか?
血管が硬くなると(動脈硬化)、血管にカルシウムが付着する石灰化という現象が起こります。今回の研究では、心臓の血管(冠動脈)の石灰化が心筋梗塞などの冠動脈疾患の予測に役立つか検証しました。
◆冠動脈の石灰化が心筋梗塞などの冠動脈疾患の予測に役立つか?
これまで、心筋梗塞などの
今回の研究では、この予測の精度を上げるために、冠動脈の石灰化が役に立つか検証しました。
◆冠動脈の石灰化により冠動脈疾患の発症を予測する精度が上がる
以下の結果が得られました。
MESAリスクスコアで冠動脈の石灰化を含めると、リスクの予測が
有意 に改善した(C統計量0.80 vs 0.75、p<0.0001)。[...]、イベント発生と非発生における推定10年リスクの差は、約8%から9%であり、優良な弁別能を示した。
冠動脈疾患の発症を予測する場合に、冠動脈の石灰化をその因子として含めて計算することで、予測の精度が上がるという結果でした。
心臓の病気を早期から予測できることは非常に有用ですが、その予測の精度が悪ければあまり意味がありません。このような研究により、予測の精度が上がり、予防に役立つのかもしれません。
執筆者
10-Year Coronary Heart Disease Risk Prediction Using Coronary Artery Calcium and Traditional Risk Factors: Derivation in the MESA (Multi-Ethnic Study of Atherosclerosis) With Validation in the HNR (Heinz Nixdorf Recall) Study and the DHS (Dallas Heart Study).
J Am Coll Cardiol. 2015 Oct 13
[PMID: 26449133]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。