インフルエンザに肺炎が合併した人に多かった特徴とは?
インフルエンザが重症化して、またはインフルエンザウイルスとともにほかの細菌が感染することなどにより、肺炎が起こることがあります。肺炎で入院した人の中で、ワクチンがインフルエンザウイルスの感染を防ぐ効果を調べる研究が行われました。
◆肺炎で入院した人が対象
研究班は、肺炎で入院した人を対象とする調査データを使い、生後6か月以上の子どもと成人の計2,767人のうち、肺炎とともに
◆インフルエンザウイルスに感染した人にワクチンを受けていなかった人が多い
次の結果が得られました。
インフルエンザ関連肺炎があった162人の症例のうち28人(17%)と、インフルエンザ陰性の肺炎があった対照群2,605人のうち766人(29%)がワクチンを受けていた。症例と対照について、先行するインフルエンザワクチン接種のオッズ比は0.43(95%信頼区間0.28-0.68、推定ワクチン有効率56.7%、95%信頼区間31.9%-72.5%)だった。
肺炎で入院した人のうち、インフルエンザウイルスに感染していた人は、インフルエンザウイルスの感染がなかった人よりもインフルエンザワクチンを受けていなかった割合が大きいという結果でした。ワクチン接種によってインフルエンザウイルスの感染が推定56.7%程度予防されたと見られました。
肺炎で入院した人の間でも、ワクチンによってインフルエンザウイルスの感染を防ぐ効果が見られるという結果でした。ワクチンがインフルエンザを予防することにより、その結果肺炎に至る事態も防げるかもしれません。
執筆者
Association Between Hospitalization With Community-Acquired Laboratory-Confirmed Influenza Pneumonia and Prior Receipt of Influenza Vaccination.
JAMA. 2015 Oct 13
[PMID: 26436611]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。