インフルエンザ4価ワクチンは子どもにも使えるのか?
インフルエンザワクチンは標的とするインフルエンザウイルスの型を選んで使われます。4種類のウイルスに対応した4価ワクチンが免疫反応を起こす効果を、子どもと成人で分けて調べる研究が行われました。
◆4価ワクチンは子どもでも大人でも有効か?
多くの国で使われている3価ワクチンは、インフルエンザA型
しかし、予測と違う種類のB型ウイルスが流行する場合もあり、ワクチンで対応されていなかった種類のウイルスに対しては、予防効果が期待できません。
この研究では、A型ウイルスの2種類とB型ウイルスの2種類に対応した4価ワクチンが、3価ワクチンとして使ったときと同様に人体の
対象者は6歳から17歳のグループと18歳から60歳のグループに分けられ、それぞれの年齢グループの中で、3価ワクチンを接種するか、4価ワクチンを接種するかにランダムに分けられました。
◆どちらも4価ワクチンに応答あり
6歳から17歳の329人と、18歳から60歳の1,648人が4価ワクチンを接種し、6歳から17歳の55人と、18歳から60歳の56人が3価ワクチンを接種しました。
次の結果が得られました。
非自発報告された反応、自発報告された有害事象、深刻な有害事象は、どちらの年齢グループでも、不活化3価ワクチンと不活化4価ワクチンを接種した人で類似していた。注射部位の痛み、頭痛、
倦怠感 、筋肉痛が最も頻繁に報告された非自発報告対象の反応であり、そのほとんどは軽度で3日以内に解消した。ワクチン関連の深刻な有害事象または死亡は報告されなかった。不活化3価ワクチンと不活化4価ワクチンに対して、どちらの年齢グループでも、共通する3系統についてワクチン接種後の抗体 応答、抗体陽転率、血清防御率は同等だった。
3価ワクチンと4価ワクチンで、副反応の頻度などに違いはなく、一部の人で注射した場所の痛み、頭痛、倦怠感、筋肉痛などが見られました。深刻な副反応は見られませんでした。
6歳から17歳のグループでも、18歳から60歳のグループでも、4価ワクチンにより
日本では従来3価ワクチンが使われていましたが、2015年の予防接種からは、より効果的にインフルエンザを予防する狙いで、4価ワクチンが使われます。その効果と安全性は、子どもに対してもこのように、研究によって検討されています。
執筆者
Safety, immunogenicity, and lot-to-lot consistency of a quadrivalent inactivated influenza vaccine in children, adolescents, and adults: A randomized, controlled, phase III trial.
Vaccine. 2015 May 15
[PMID: 25843270]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。