◆免荷式装置で体重を軽くし歩行練習したときの効果を検証
今回の研究で用いた治療法は、免荷式トレッドミルという装置により身体を吊り下げることで足元にかかる体重を軽くする方法でランニングマシーンの上を歩く練習です。
パーキンソン病患者60人を、免荷歩行を行う群、通常の歩行練習を行う群、運動を行わない群の3群にランダムに分け、その効果を比較しました。歩行練習は、1日30分、週4日、4週間実施しました。
◆免荷歩行を行うと、歩くスピードがより速くなる
4週間のトレーニング後、歩くスピードが、免荷歩行を行なった群(秒速0.45mから0.71mに向上)では、運動をしなかった群(秒速0.49mから0.48m)、通常の歩行練習を行なった群(秒速0.42mから0.48m)と比べて、より速くなっていました。
パーキンソン病を発症すると、歩行能力が障害され、日々の生活も円滑に過ごせなくなる場合があります。免荷式トレッドミル歩行は、ハーネスと呼ばれる吊り下げるための装置を付けることから、トレーニング中に転ぶ危険も小さいことが知られています。歩行能力を改善する方法のひとつとして、考慮されても良いかもしれません。
執筆者
Partial Body Weight-Supported Treadmill Training in Patients With Parkinson Disease: Impact on Gait and Clinical Manifestation.
Arch Phys Med Rehabil. 2015 Sep
[PMID: 26008873]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。