2015.10.17 | ニュース

インフルエンザの薬で2009年のH1N1ウイルスによる死亡は減らせたのか?

メタアナリシスにより検証
from The Lancet. Respiratory medicine
インフルエンザの薬で2009年のH1N1ウイルスによる死亡は減らせたのか? の写真
(C) Feng Yu - Fotolia.com

2009年に、新型のインフルエンザウイルス(H1N1pdm09)による世界的な流行が起こりました。多くの死者が出る事態となりましたが、このとき治療薬は役に立ったのでしょうか。これまでの研究結果をまとめ、死亡を防ぐ効果が検証されました。

◆ノイラミニダーゼ阻害薬を用いた治療と死亡率の関係を検証

インフルエンザの治療には、ザナミビル(商品名リレンザ)、オセルタミビル(タミフル)、ラニナミビル(イナビル)など、ノイラミニダーゼ阻害薬という種類の薬が使われます。今回の研究では、2009年に大流行したH1N1pdm09型のインフルエンザウイルスにもこれらの効果が見られるか検証しました。

H1N1pdm09ウイルスの感染の診断を受けた患者について、過去の研究からデータを集めました。78件の研究から得られた、計29,234人の情報を分析しました。

 

◆ノイラミニダーゼ阻害薬を用いると死亡率は減少

以下の結果が得られました。

治療しないことと比べて、ノイラミニダーゼ阻害薬を用いた治療は、治療のタイミングに関係なく、死亡リスクの減少と関連していた(調整済みオッズ比0.81、95%信頼区間0.70-0.93、p=0.0024)。

遅い治療と比べて、早い治療(発症から2日以内)では、死亡リスクの減少と関連していた(調整済みオッズ比0.48、95%信頼区間0.41-0.56、p<0.0001)。

発症から2日以内に治療を始めた場合と比べて、治療の開始が1日遅れるごとに、5日目までは死亡のハザード比が増加していた(1日遅れるごとに調整済みハザード比1.23、95%信頼区間1.18-1.28、p<0.0001)。

ノイラミニダーゼ阻害薬を用いて治療をしたとき、何も治療をしないよりも死亡率が低く、中でも治療を開始するタイミングは症状が現れてから2日以内のときに死亡率が低く、それより遅れるごとに死亡率が高くなるという結果でした。

 

インフルエンザの季節が近づいてきています。予防を含め、治療法の知識について確認しておくことも役に立つかもしれません。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

Effectiveness of neuraminidase inhibitors in reducing mortality in patients admitted to hospital with influenza A H1N1pdm09 virus infection: a meta-analysis of individual participant data.

Lancet Respir Med. 2014 May

[PMID: 24815805]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。


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