2015.10.03 | ニュース

インフルエンザと一緒に感染した細菌が肺炎を起こす

南アフリカ969件の検査から
from The Journal of infectious diseases
インフルエンザと一緒に感染した細菌が肺炎を起こすの写真
(C) psdesign1 - Fotolia.com

インフルエンザウイルスによってダメージを受けた肺や気管支には、肺炎球菌などの細菌も感染しやすくなると言われています。ウイルスの感染が細菌による肺炎に影響するかどうかの研究が行われました。

◆細菌とウイルスの検査結果から

研究班は、南アフリカの調査で検査を受けた人を対象に、のどの奥(上咽頭から中咽頭)から取ったサンプルに肺や気管支感染症を起こす肺炎球菌インフルエンザウイルスなどのウイルスが見つかったかどうか、また肺炎球菌による肺炎の診断や入院があったかなどの情報を統計解析し、肺炎とウイルス感染の関係を調べました。

 

◆ウイルス感染があると肺炎が多い

次の結果が得られました。

症例の55%に肺炎球菌のコロニー形成が検出された(969件中534件)。年齢と結核治療で調整した多変量解析において、インフルエンザウイルス(調整オッズ比2.2、95%信頼区間1.1-4.5)、アデノウイルス(調整オッズ比1.7、95%信頼区間1.1-2.7)、ライノウイルス(調整オッズ比1.6、95%信頼区間1.1-2.3)、ヒト免疫不全ウイルスHIV、調整オッズ比1.6、95%信頼区間1.1-2.4)の感染が肺炎球菌のコロニー形成と関連した。高密度コロニー形成は、年齢と性別を調整したうえで、呼吸器ウイルス共感染(調整オッズ比1.7、95%信頼区間1.1-2.6)、侵襲性肺炎球菌肺炎(調整オッズ比2.3、95%信頼区間1.3-4.0)と関連した。

インフルエンザウイルスなど、ウイルスの感染があった人には、検査で肺炎球菌が見つかることが多くなっていました。また、ウイルスの感染があった人には肺炎球菌の量が多く見られることが多く、肺炎球菌の量が多かった人では肺炎球菌による肺炎の頻度が高くなっていました

研究班は「呼吸器ウイルス感染症はコロニー密度の上昇と、ひいては侵襲性肺炎球菌肺炎と関連した」と結論しています。

 

細菌の感染とウイルスの感染で似た症状が出る場合もありますが、治療には抗菌薬抗生物質)が細菌には使えてもウイルスには無効という大きな違いがあります。この研究でも見られたように細菌とウイルスの両方が同時に感染する場合もあり、見逃さず適切に判断して治療することが、インフルエンザの治療では重要な課題になります。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

High nasopharyngeal pneumococcal density, increased by viral coinfection, is associated with invasivepneumococcal pneumonia.

J Infect Dis. 2014 Nov 15

[PMID: 24907383]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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