◆51人を対象としたランダム化比較試験により介入効果を検証
足の切断手術を受けた後に幻肢痛を生じている51人を対象に、筋肉のリラクセーション、イメージトレーニング、幻肢エクササイズによって幻肢痛が改善されるかを調べる研究を行いました。
対象者を2つのグループに分け、片方のグループに、筋肉のリラクセーション、イメージトレーニング、幻肢エクササイズを週2回、4週にわたって行い、もう一方のグループには、同じ時間の理学療法を行い、1ヵ月後の介入効果を質問紙を用いて調べました。
◆筋肉のリラクセーション、イメージトレーニング、幻肢エクササイズは、幻肢感覚、幻肢痛を改善
研究の結果、以下のことが示されました。
実験グループは、義肢評価質問票の全ての項目(幻肢感覚と幻肢痛双方の点から;P<0.04)と簡便痛みの質問表(P<0.03)において統計学的に有意な経時的減少を示した。
この結果は、筋肉のリラクセーション、イメージトレーニング、幻肢エクササイズが、幻肢感覚、幻肢痛を改善したことを示しています。
筋肉のリラクセーションやイメージトレーニングによって幻肢痛を軽減する可能性が示唆されました。
介入のどのような側面が幻肢痛の軽減に寄与したかを明らかにすることで、幻肢痛のメカニズムを明らかにする一助となるかもしれません。
執筆者
Efficacy of progressive muscle relaxation, mental imagery, and phantom exercise training on phantom limb: a randomized controlled trial.
Arch Phys Med Rehabil. 2015
[PMID: 25450123]
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。