非浸潤性乳管がん(DCIS)、切除したあと再発はあるのか?
乳がんの検査で、非浸潤性乳管がん(DCIS)という、周りの組織に広がっていない小さいがんが見つかることがあります。手術で取り除いたとき、どの程度再発が起こるかを長期間にわたって調べる研究が行われました。
◆低リスク患者が対象
この研究は、DCISの中でも比較的進行する恐れが小さいと見られたものがある女性を対象に行われました。計665人の対象者がDCISを取り除く手術を受け、その後およそ12年にわたって、再発がないか追跡調査されました。この間に、対象者の一部は、乳がんを予防するとされるタモキシフェンの治療を受けていました。
◆浸潤がんの発生は12年で13%
次の結果が得られました。
99例の患側乳房イベントがあり、うち51件(52%)は浸潤性だった。患側乳房イベントの発生率、浸潤性患側乳房イベントの発生率は両方のコホートで経時的に増加した。患側乳房イベントの12年発生率はコホート1で14.4%、コホート2で24.6%だった(P=0.003)。浸潤性患側乳房イベントの12年発生率はコホート1で7.5%、コホート2で13.4%だった(P=0.08)。
もとのDCISの顕微鏡観察で比較的
乳がんの中には死亡にまでつながりにくいものもあると言われています。DCISを治療したあとに将来どの程度の危険性が残るのかを考えるうえで、この数字はひとつの参考になるかもしれません。
執筆者
Surgical Excision Without Radiation for Ductal Carcinoma in Situ of the Breast: 12-Year Results From the ECOG-ACRIN E5194 Study.
J Clin Oncol. 2015 Sep 14 [Epub ahead of print]
[PMID: 26371148]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。