◆心臓リハビリテーションにおける在宅と通院の効果を比較
心臓リハビリテーションとは、心筋梗塞などの循環器疾患をもつ患者さんを対象に、運動療法や食事療法などを通して、日常生活を送るための機能回復や社会復帰を目的としたリハビリテーションのことです。
研究グループは、過去の複数の研究のデータをもとに、通院のリハビリテーションと自宅でのリハビリテーションを比較し、死亡率、運動能力などを指標としてリハビリの効果の違いを調べました。
◆在宅と通院、効果は同等
過去に行われた17件の研究のデータを調べた結果、在宅と通院の心臓リハビリテーションの効果について以下の結果が明らかになりました。
主に、在宅と通院の心臓リハビリテーションにおいて、フォローアップを行った12ヵ月までにアウトカムで違いはみられなかった:2ヵ月後の死亡率(リスク比=0.79、95%信頼区間0.43-1.47、P=0.46、固定効果)、心イベント(統合不可)、運動能力(標準化平均差:-0.10、95%信頼区間-0.29から0.08、P=0.29、変動効果)[...]。
この結果は、自宅でのリハビリテーションと病院でのリハビリテーションの効果に違いが確かめられなかったことを示しています。
今回の研究では、1年後の効果が示されました。長期的な効果についてはこのデータからはわかりませんが、より確かなことがわかれば、心臓リハビリテーションの計画を考えるうえで重要な情報になるかもしれません。
執筆者
Home-based versus centre-based cardiac rehabilitation.
Cochrane Database Syst Rev. 2015 Aug 18 [Epub ahead of print]
[PMID: 26282071]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。