2016.03.20 | ニュース

心臓の病気の後、長生きした人の特徴

2714名の患者を対象に調査

from BMJ open

心臓の病気の後、長生きした人の特徴の写真

心筋梗塞などの冠動脈疾患は心臓にダメージをうける病気です。冠動脈疾患後、再発防止などの狙いでリハビリテーションが実施されます。リハビリテーション後の身体状態によって死亡率は変わるのかが調査されました。

◆運動能力の違いによる死亡率の変化は

1993年1月1日から2002年12月31日までの期間にイギリスの病院に入院していた心筋梗塞などの冠動脈疾患患者が対象となり、2011年3月まで追跡調査されました。患者は男性2,167名、女性547名、年齢は28から88歳でした。対象者は病後、リハビリテーションを受け、体力テストも実施されました。

 

◆運動能力が高いと死亡率が減少

以下の結果が得られました。

スタチン、アスピリンの処方、女性、プログラム終了時の運動能力の高さ(男性 酸素摂取量≥22mL/ kg /分、女性 酸素摂取量≥19mL/kg/分)は全死因死亡率の減少と関連していた。全死因死亡率の増加は、より高い年齢とACE阻害薬の処方が関連していた。

リハビリテーションのプログラム終了時の運動能力が高かった人で死亡率が低いという結果でした。スタチンまたはアスピリンの処方を受けていた人、女性も、そうでない人に比べて死亡率が低くなっていました。

 

運動能力が高かった人は元々重症度が低かった可能性もありますが、リハビリテーションの効果が強く出た人が死亡率が減少したと解釈できる結果です。リハビリテーションの効果が強く出た人にはどのような特徴があるのでしょうか。さらなる検証が期待されます。

執筆者

PT K.S

参考文献

Fitness predicts long-term survival after a cardiovascular event: a prospective cohort study.

BMJ Open. 2015 Oct.

[PMID: 26493455]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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