◆飲酒量と膵炎の発症との関連を検証
今回の研究は、飲酒量と膵炎の発症に関する6つの研究から、どの程度の飲酒量が膵炎の発症リスクに関連するか検証しました。
膵炎に対する飲酒量の影響は、1杯をエタノール12g分(ビール350ml缶1本弱分)と換算した場合に、1日あたり0から2杯、2から4杯、4杯以上の3群に分類した分析も行われました。
◆膵炎は1日4杯以上の飲酒でリスク増大
以下の結果が得られました。
アルコール消費量の平均と膵炎の間に、単調でおよそ指数関数的な用量反応関係が示された。
しかしながら、カテゴリー分析では、より低い飲酒量のカテゴリーでは有意な上昇は見られず、1日4杯が明確な閾値であった。
[...]、飲酒をしない人と比べて、1日4杯より多くアルコールを消費する人は、膵炎のリスク増大と有意に関連していた(相対リスク2.5、95%信頼区間2.0-3.1、p<0.001)。
膵炎の発症リスクが増大する飲酒量は、1日4杯以上でした。
この結果も踏まえて、『急性膵炎診療ガイドライン2015』では、「1日4ドリンク(エタノール48g)以上の飲酒では、膵炎発症リスクは2.5倍になる。」と記載されています。
執筆者
Alcohol as a risk factor for pancreatitis. A systematic review and meta-analysis.
JOP. 2009 Jul 6
[PMID: 19581740]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。