女の子に大動脈縮窄症が見つかったら、ターナー症候群かもしれない
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染色体異常の一種であるターナー症候群がある女の子には、生まれつき大動脈縮窄症という血管の異常があることが多いと言われています。アメリカで、大動脈縮窄症がある女の子のうちどの程度にターナー症候群もあるかが調べられました。
◆大動脈縮窄症がある女の子が対象
大動脈縮窄症は、子どもの大動脈が生まれつき一部で狭くなっているために、血液が正常に流れなくなり、心不全などさまざまな問題が起きやすくなっている状態です。ターナー症候群にともなうことがあると言われています。
ターナー症候群は、女の子の細胞に2本あるはずの性染色体(X染色体)が1本しかないなどの染色体異常により、心臓や腎臓などさまざまな臓器に異常が起こる病気です。
この研究は、アメリカで行われた出生時の異常の調査から、1997年から2011年の間に産まれた大動脈縮窄症がある女の子の情報を取り出し、ターナー症候群の頻度を調べました。
◆12.6%はターナー症候群
次の結果が得られました。
大動脈縮窄症があった244人の女の子のうち、77人が除外され、167人の女の子のコホートが残った。86人(51%)が染色体検査を受け、21人(12.6%)がターナー症候群と診断された。
ターナー症候群では通常見られない心臓の異常があった場合を除くと、大動脈縮窄症があった女の子のうち12.6%がターナー症候群と診断されていました。
研究班は「これほど高い頻度は、早期診断の臨床的利点とあわせて考えれば、大動脈縮窄症が見つかった女の子にターナー症候群の遺伝学的スクリーニングを行うことを支持する」と述べています。
ターナー症候群はさまざまな臓器に影響します。ここで示されたような関連は、診断のための重要な手掛かりになります。
執筆者
Turner Syndrome in Girls Presenting with Coarctation of the Aorta.
J Pediatr. 2015 Aug 28 [Epub ahead of print]
[PMID: 26323199]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。