チョコ好きにチョコを禁止したらどうなる?

食事療法は痩せる手段の一つですが、多くの人にとって大変です。特に、好きな食べ物を食べられないと、生活のほかの面にも影響があるかもしれません。著者らはチョコレートをよく食べる人にチョコレート制限をし、その効果を調べました。
◆チョコレートをよく食べる56人を対象に試験
著者らは以下の試験を行いました。
計56人の男性(18人)と女性(38人)のチョコレートをよく食べ、高レベル(25人)または低レベル(31人)の脱抑制状態と認識している人達が参加した。チョコレートスナックを、ベースライン、制限前と制限後の消費量を確立するため、それぞれ1週間与えた。チョコレート制限期間の3週間の間、チョコレートスナックは非チョコレートスナックに換えた。
つまりチョコレート消費が多い人を対象として、1週間チョコレートを含むスナックの消費量を調べたうえ(ベースライン)、次の1週間(制限前)を空けて3週間チョコレートを食べないよう指導し、そのあとさらに1週間(制限後)の消費量を調べました。
◆チョコレート制限でスナックの消費が多くなる
以下の試験結果になりました。
データを総合したところ、抑制が効かない被験者および効く被験者いずれも、ベースラインの期間と比べ、制限前および制限後でより頻繁にスナックを食べた。
つまり、チョコレート制限前と、制限後には、ベースラインよりもスナックを食べる頻度が多くなっていました。
この研究で著者らは、「[...]チョコレートのような好きな食べ物を制限する事は、エネルギー制限や体重管理のうえで禁忌かもしれない」と述べています。
実行可能な体重管理は、やはり大変であるようです。食べ物の好みは多かれ少なかれ皆もっているので、その嗜好を踏まえた管理プログラムが望ましいのかもしれません。
執筆者
Anticipatory and reactive responses to chocolate restriction in frequent chocolate consumers.
Obesity (Silver Spring). 2015 Jun
[PMID: 26010325] http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/oby.21098/full※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。