2015.08.23 | ニュース

ダイエットソーダは本当に太らないのか?

アメリカでの前向きコホート研究から

from Journal of the American Geriatrics Society

ダイエットソーダは本当に太らないのか?の写真

カロリーが少ない炭酸飲料は自分もよく飲みますが、良くはなくても悪くもないだろうと思っていました。ところがアメリカで高齢者を対象にダイエットソーダ飲量と腹囲差の相関関係を調べたところ、意外な結果となりました。

◆アメリカで65歳以上の人について調査

著者らはダイエットソーダを飲む量と長期間の腹囲の変化の関係を調べるために、65歳以上の人を対象におよそ3年間の追跡調査を行い、ダイエットソーダ消費量、腹囲、身長体重等を測定してその変化を調べました。

 

◆ダイエットソーダを飲む方が、腹囲は増加

著者らは以下の調査結果を得ました。

初期腹囲と人口統計学的特性、身体活動度、糖尿病と喫煙で補正すると、各期間中の腹囲変化量の平均は、ダイエットソーダ消費者(2.11 cm、95%信頼区間は1.45-2.76 cm)は飲まない人(0.77 cm、95%信頼区間は0.29-1.23 cm)のほぼ3倍であった(P < 0.001)。
補正した各期間での腹囲変化量はダイエットソーダを飲まない人で0.77 cm (95%信頼区間は0.29-1.23 cm)、時々飲む人で1.76 cm (95%信頼区間は0.96-2.57 cm)であり日常的に飲む人では3.04 cm (95%信頼区間は1.82-4.26 cm)であった(傾向検定P値は0.002)。

つまり、ダイエットソーダを飲んでいた人の方が飲んでいない人よりも、調査最初の基準年と比較して腹囲が増えました。飲む頻度が大きい人ほど腹囲が増えている傾向が見られました。

 

ダイエットソーダそのものが悪いのか、ダイエットソーダを飲む人達の生活習慣にまずい点があるのか、この論文からはまだ分かりません。例えばダイエットソーダを飲む事に安心して適切な運動を取らない等、間接的な要因の可能性もあります。成分の作用については、ダイエットソーダに含まれる成分を抽出して効果を観察するなど、更なる調査や実験によって情報が得られるかもしれません。

執筆者

高田

参考文献

Diet soda intake is associated with long-term increases in waist circumference in a biethnic cohort of older adults: the San Antonio Longitudinal Study of Aging.

J Am Geriatr Soc. 2015 Apr

 

[PMID: 25780952] http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jgs.13376/abstract

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

▲ ページトップに戻る