2015.08.25 | ニュース

ビタミンKと認知症の関係は?高齢者の食事摂取量を調査

高齢者192名を対象とした横断研究
from Nutrients
ビタミンKと認知症の関係は?高齢者の食事摂取量を調査の写真
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ビタミンKは、人体にとって必要な栄養素ですが、認知症と関係するかどうかは知られていません。今回、ビタミンKの摂取量と高齢者の認知機能の関連について、フランスの研究チームが調査を行いました。

◆ 65歳以上の高齢者192人を対象に

この研究では、高齢者におけるビタミンKの摂取量と認知機能の関連性を検証することを目的として、65歳以上の高齢者を対象に、過去1年間に摂取した食事の内容と認知機能を調査しました。

 

◆ ビタミンKの摂取量と認知機能の関連性を検証

調査後、対象者をビタミンK摂取量に応じて、少ない群と中等度から多い群に分けて比較しました。すると、ビタミンK摂取が中等度から多い群は少ない群に比べて、認知機能テストのスコアが高いことがわかりました。詳細な数値は以下の通りです。

対象者のうちビタミンK摂取が最も少ない三分位群(64人)に比べて、それより多い群は、MMSEのスコア(22.0±5.7 VS 19.9±6.2、P=0.024)、FBRSのスコア(1.5±1.2 VS 1.9±1.3、P=0.042)が良好であった

研究チームは「高齢者における高いビタミンK摂取は良好な認知・行動と関連していた」と述べています。

 

この結果は、ひとつの時点でだけ調べた横断的調査のものです。そのため、ビタミンKが認知機能に影響する原因だったかは明らかでなく、認知機能が良好な人がその結果としてビタミンKを多く摂取しやすかった可能性があります。高いビタミンK摂取が高齢者の認知機能低下の予防に効果があるかを判断するためにはさらなる知見を待つ必要があります。

執筆者

高士 直己

参考文献

Dietary Vitamin K Intake Is Associated with Cognition and Behaviour among Geriatric Patients: The CLIP Study.

Nutrients. 2015 Aug 12

[PMID: 26274973]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。