働きすぎで心筋梗塞、脳卒中が増える?

労働時間が長すぎると体に悪いというイメージがあるかもしれません。この関係について、これまでの研究で得られたデータを検証した結果、労働時間と冠動脈疾患、脳卒中の発症率に関連が見られました。
◆過去の研究を統合
研究班は、労働時間と
◆長いほど脳卒中リスク増加
見つかった25件の研究のデータから、次の結果が得られました。
累積メタアナリシスでは、年齢、性別、社会経済的状態を調整したうえで、標準的労働時間(週当たり35時間から40時間)に比べて長時間労働(週当たり55時間以上)に冠動脈疾患の
発症 リスク増加(相対リスク1.13、95%信頼区間1.02-1.26、P=0.02)、脳卒中の発症リスク増加(1.33、1.11-1.61、P=0.002)と関連が見られた。脳卒中について容量反応関係が見られ、標準的労働時間と比べて、相対リスク推定値は週当たり労働時間41-48時間に対して1.10(95%信頼区間0.94-1.28、P=0.24)、49-54時間に対して1.27(1.03-1.56、P=0.03)、55時間以上に対して1.33(1.11-1.61、P=0.002)だった(Ptrend<0.0001)。
週当たりの労働時間が55時間以上の人では、35時間から40時間の人よりも冠動脈疾患、脳卒中の発症が多くなっていました。また、労働時間が長いほど脳卒中の発症が多くなる傾向が見られました。
研究班は「これらの結果は、長時間労働をしている個人においては血管
働きすぎの人は健康に注意が必要なのかもしれません。
執筆者
Long working hours and risk of coronary heart disease and stroke: a systematic review and meta-analysis of published and unpublished data for 603 838 individuals.
Lancet. 2015 August 19 [Epub ahead of print]
[PMID: 26298822]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。