2015.08.15 | ニュース

ベトナム戦争後のPTSDは40年後も続いていた

帰還者1,450人の調査から
from JAMA psychiatry
ベトナム戦争後のPTSDは40年後も続いていたの写真
(C) John Gomez - Fotolia.com

戦争から帰ってきた人にはしばしば、心的外傷後ストレス障害(PTSD)が起こります。アメリカでベトナム戦争の戦地から帰った人の調査が行われ、現在も多くの人にPTSDやうつ病が続いていることが推定されました。

◆帰還者から聞き取り調査

研究班は、2012年から2013年にかけて、ベトナム戦争帰還者に対して質問票や電話質問などの方法で聞き取り調査を行い、PTSDがある人の割合を推定しました。

 

◆10%にPTSD/閾値下PTSD

次の結果が得られました。

男性で戦区から帰還した人では、CAPS-5基準による現存するPTSD診断の罹患率は4.5%(95%信頼区間1.7%-7.3%)、CAPS-5基準を満たすまたは閾値下のPTSDは10.8%(6.5%-15.1%)、PCL-5+基準による戦地型PTSDは11.2%(8.3%-14.2%)と推定された。女性の帰還者のうちでは、推定値は順に6.1%(1.8%-10.3%)、8.7%(3.8%-13.6%)、6.6%(3.5%-9.6%)だった。

合併するうつ病は現存する戦地型PTSDのある帰還者のうち36.7%(95%信頼区間6.2%-67.2%)に見られた。

対象者のうち、診断基準のすべてを満たすPTSDは男性の4.5%、女性の6.1%にあり、診断基準の一部を満たす閾値下PTSDを含めると男性の10.8%、女性の8.7%にのぼると見られました。また、戦地型PTSDの基準を満たした人の36.7%には、うつ病がともなっていると見られました。

研究班はこの結果を「およそ27万1千人のベトナム戦争戦区帰還者には、戦争から40年以上後で、現存する完全なPTSDまたは閾値下の戦地型PTSDがあり、そのうち1/3は現存するうつ病がある」とまとめています。

 

戦地を経験した人に長く残る影響が示唆されました。考えさせられることの多い研究です。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Course of Posttraumatic Stress Disorder 40 Years After the Vietnam War: Findings From the National Vietnam Veterans Longitudinal Study.

JAMA Psychiatry. 2015 Jul 22 [Epub ahead of print]

[PMID: 26201054]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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