2015.08.09 | ニュース

心筋梗塞で傷ついた心臓を改善できるか?幹細胞治療の試み

中国116人のランダム化試験
from BMC medicine
心筋梗塞で傷ついた心臓を改善できるか?幹細胞治療の試みの写真
(C) Africa Studio - Fotolia.com

心臓の筋肉は再生しないと考えられています。心筋梗塞でダメージを受けた心臓を元に戻す方法は知られていません。中国の研究班が、心臓に幹細胞を注入する方法で治療を試み、心臓の機能に改善が見られたことを報告しました。

◆ウォートンジェリーから取った幹細胞を使って治療

研究班は、「ウォートンジェリー」と呼ばれる、臍帯などに含まれるゼリー状の物質から取り出した幹細胞(WJMSC)を治療に使いました。対象となった心筋梗塞の患者116人は、心筋梗塞発症後にまず心臓の筋肉の血流を再開させる治療を受けたあと、5日後から7日後の時点でランダムに、WJMSCを冠動脈から注入されるか、偽薬を注入されるかの処置を受けました。

 

◆左室駆出率が増加

次の結果が得られました。

18か月のフォローアップの間、有害事象の率および腫瘍免疫、血液学的指標を含む臨床検査の所見は群間で違いがなかった。

18か月で左室駆出率の絶対増加量は偽薬群(2.8±1.2、95%信頼区間0.4からおよそ5.1)に比べてWJMSC群で有意に大きかった(7.8±0.9、95%信頼区間6.0からおよそ9.7)。

治療後18か月の時点で、心臓が血液を送り出す機能が、WJMSCを注入したグループでより大きく増加していました

 

幹細胞による治療の効果を示唆する結果でした。幹細胞が注入された場所でどんな働きをしたのかも知りたくなります。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Intracoronary infusion of Wharton's jelly-derived mesenchymal stem cells in acute myocardial infarction: double-blind, randomized controlled trial.

BMC Med. 2015 Jul 10

 

[PMID: 26162993]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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